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どうしても破産・民事再生(強制整理)を回避したい

手続の選択は希望ではなく,状況で決まる

債務整理の分類

債務整理は大きく任意整理と強制整理(破産・民事再生)に分けることができますが,どうしても強制整理(破産・民事再生)はしたくない,という方はいます。

しかし,次の表のように任意整理か強制整理の選択は,本人の希望ではなく,経済状況が決定的な要素になります。

返済が困難な状況となり任意整理に着手し,負債額が判明した段階の手続選択において,本人の希望が特に問題となるのは,下表「4.どうする?」と記した場合,すなわち,「任意整理では余裕のない返済計画となるが強制整理(破産・民事再生)はしたくない」という場合です。

経済状況 本人の希望 解決手段
任意整理で余裕ある返済計画となる ※1 強制整理したい 1.強制整理も可能
強制整理したくない 2.任意整理が適する
任意整理では余裕のない返済計画となる ※2 強制整理したい 3.強制整理が適する
強制整理したくない 4.どうする?
任意整理しても返済可能な計画を立てられない ※3 強制整理したい 5.強制整理が適する
強制整理したくない 6.強制整理が適する

※1 任意整理をすれば,通常の日常生活を営みながら,生活費を控除した余剰金から毎月の返済額を控除しても手元にお金が残る状態にできる場合(標準生活が維持でき,不測の出費に対応できる余力が残る場合)

※2 任意整理をしても,生活費を控除した余剰金のほとんどを返済に回すような返済計画となる場合や生活水準を相当落とさないと返済資金が捻出できない場合(標準生活が困難,不測の出費に対応できる余力がない場合)

※3 収入が全くない場合,任意整理で可能な分割払回数での月支払額が支払い能力を超えている場合,分割和解に応じない債権者がいる場合など

 

上記5と6の場合は,任意整理で解決できない状況にあるため,ご本人の希望にかかわらず,選択できる手続は強制整理しかなくなります。この状態にある方が強制整理を回避しようとするとご親族など他の方に借金の肩代わりをしてもらうなど周囲を巻き込んだり,返済資金を作るため更に無理な借金をして免責不許可事由を発生させたり,あるいは,提訴され給与差し押さを受け生活が立ちゆかなくなるなど,事態を悪化させることになりかねないので,弁護士としては強制整理を勧めるほかありません。

これに対し,上記「4.どうする?」の場合は,無理をすれば任意整理で解決ができますが,①余裕がないため途中で頓挫しやすい(その場合,無理して支払ったお金はすべて無駄となる),②返済計画中の数年間,経済的に過酷な状況に置かれる(家族がいる場合,家族もその状況に置かれる)という問題があります。借金は経済面だけでなく精神面にも大きな負担となり,ご家族との関係にも影響します。そのため,この場合,弁護士としては,強制整理(破産・民事再生)を選択する機会を提供する必要があります。

当事務所では,任意整理で着手し調査の結果,収入とのバランスで任意整理ではかなり負担の大きい返済計画となる場合(上記「4.どうする?」の場合)には,そのまま任意整理で解決するか,強制整理へ移行するか,双方の利害得失を説明の上,協議することにしています。負担を理解した上であくまで任意整理をご希望の場合には任意整理で解決し,強制整理を希望された場合には強制整理に切り替えます(弁護士ならすべての手続を代理できます)。

ご家族,特にお子様がいる方は無理な返済計画で任意整理すると返済計画中に本来お子様やご家族ににしてあげられることもできないことになりかねません。無理な返済計画をしてでも,どうしても破産・民事再生を回避したい方は,なぜ回避したいのかその理由をよく考え,その理由が無理な返済計画により払うことになる金銭面以外の代償に見合うものか見極めることが大切です。