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債務整理で事故情報の回避をどこまで重視するか

着手により事故情報が登録されることが予想される場合でも,次の場合は,信用情報登録を回避する必要性に乏しいと考えられます。

1.既に事故情報が登録されている場合

以下のように既に事故情報が登録がされていると考えられる場合は,事故情報登録を回避する必要性に乏しいことになります。ただし,新たに事故情報が載ることで抹消までの登録期間が延びるというデメリットはあるので回避の必要性が全くないというわけではありません。

2.債務整理をする必要がある状況にある場合

返済が困難なため債務整理をする必要がある状況にある場合,債務整理をする以外に借金問題解決の手段がないので,この場合,信用情報登録の回避を考える余地はありません(事故情報はやむをえないものとしてあきらめざるを得ません)。

【アドバイス】

信用情報登録を回避しようとして,家族や友人知人等に援助をしてもらうことを考える方もいます。年齢が若い方は将来住宅ローンを組むときのことなどを考えると信用情報登録を回避することは重要かも知れません。

しかし,他人の経済的負担で借金問題を解決しようとする場合,援助をしてくれる方自身を経済的窮地に陥らせる恐れがあります(特にご家族に負担してもらう場合)。窮地とまでは言えないまでも,肩代わりしてもらう金額は超過利息分を含めた残高ですから,債務整理した場合に支払うべき金額より多い金額を肩代わりしてもらうことになり,負担は相当大きくなります。ご家族等に大きな負担をかけてまで,いずれは抹消される事故情報登録を回避する意味があるか慎重に考えた方がよいと思います。貸金業者からの信用を失うか,ご家族等からの信用を失うかという問題でもあります。

また,借金返済資金を貸してもらう場合(特に友人知人),その後,新たに借金を作り自己破産や民事再生をせざるを得なくなったら,法律上,その友人等の貸金も免責又は減額となり,多大な迷惑をかけることになります。信用情報登録の回避を重視するということは,再び借り入れるつもりがあるということですから,再度大きな借金を作ることは大いにあり得ます。友人等への返済のため再度借り入れなければならなくなる場合もあると思います。

結局自己破産(あるいは民事再生)となった場合,金融会社であれば自己破産等のリスクは貸付審査時に織り込み済みなので免責又は減額されれば素直にそれに従い,文句の一つも言ってきません。逆に5年か7年経てばまた貸してくれるかも知れません。しかし,ご家族等の場合はそうは行きません。免責しました,減額されましたと言って簡単には許してくれないでしょう。信頼関係がなくなるので,何年経っても二度と助けてくれないかも知れません。自己破産等の後にそのご家族等へなんらかの形で損失を補填しなければならなくなれば,自己破産等をした意味はなくなります。免責後のご家族等への事実上の支払に窮するようになったのでは経済的な再生はできません。

債務整理が必要な状況に陥っている方の中には,信用情報登録を心配する方が多くいますが,多重債務であることは信用情報登録で分かりますから,すでに信用状態は相当悪くなっていると思います。そもそも,借り入れるときには,借入の事実が登録されることが信用状況へ影響することを考えたでしょうか。返済が困難となって今,信用情報登録を心配するよりも,今後は借金についての考えを改めるべきでしょう。今後借入が出来なくなることを心配するよりも,どうしたら再度借り入れないで済むか,生活スタイルの見直しを考える方が良いと思います。

一定期間借り入れできないことは,むしろ借金に依存した生活から抜け出するためにはかえって都合がよいと言うことも出来ます。特に小さなお子さんがいる方は今のうちに債務整理して借金生活から抜け出し,お子さんがお金のかかる年齢になるころまでには事故情報が抹消されているようにした方が良いのではないでしょうか。