一次感染者 受給要件5

その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

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趣旨

最も有力な感染原因である母子感染ではないこと(要件4)を証明した上で,他の感染原因がないことを証明して,初めて,集団予防接種等とB型感染ウイルスの持続感染との因果関係を証明できたことになります。

母子感染以外の感染原因として,輸血による感染,父親などからの家族内感染,性交渉による感染など様々な感染原因があります。

一定時期のカルテ等において,このような感染原因が見当たらないことが必要になります。

カルテ等の医療記録

集団予防接種等とは異なる感染原因が存在する疑いがないことを確認するため,以下の医療記録等のうち現存するものを提出する必要があります(但し,看護記録,診療報酬明細及び紙媒体にすることが容易ではない写真・画像等を除きます)。

  • ① 直近の1年分の医療記録
  • ② 持続感染の判明から1年分の医療記録
  • ③ 最初の発症から1年分の医療記録(症状を発症した者のみ)
  • ④ 入院歴がある場合は,入院中のすべての医療記録(退院時要約サマリーが作成されている場合は退院時要約サマリーで可)

※なお,個別の事案により,上記以外の医療記録が必要になる場合があります。

平成8年1月1日以降に持続感染が確認された方

ジェノタイプAeではない検査結果が必要

B型肝炎ウイルスには,A,B,Cのジェノタイプ(遺伝子型)があり,さらにいくつかに分かれます。

BとCは,6歳頃までの感染でない限り持続感染しないため,成人後に感染した可能性はありません。

これに対して,AのうちAeは,成人後の感染であってもその10%前後が持続感染します。そのため,成人後に持続感染した可能性を否定するため,B型肝炎ウイルスのジェノタイプがAeではないことを証明する検査結果が必要になります。

ただし,ジェノタイプAeのB型肝炎ウイルスは平成8年以降に感染例が確認され,その後増加していることから,ジェノタイプAeである可能性があるのは,平成8月1月1日以降にB型感染ウイルスの持続感染が確認された方であると考えられます。

そこで,給付金請求においては,平成7年12月31日以前に持続感染が確認された方については,ジェノタイプの検査結果の提出は不要とされ(Aeではないものと扱われる),平成8年1月1日以降に持続感染が確認された方のみ,ジェノタイプAeではないことを証明する検査結果の提出が必要とされました。

ジェノタイプAeであることが判明した時点で対象から外れるので,平成8年1月1日以降に持続感染が確認された方は,まずジェノタイプの検査をし,Aeではないことを確認する必要があります。

検査方法

検査は,医療機関が検査会社に委託して行うため,医療機関に申し込む必要があります。

まず,ジェノタイプがA,B,Cのいずれであるかを判別するため「主要な遺伝子型を判定する検査」(HBVサブジェノタイプ判定検査。但し,平成23年6月28日以降はEIA方によるものに限る)を受けます。この検査で,Aではなければ,さらに検査を受ける必要はありません。

検査結果がAであれば,さらに「AaかAeかを判別する検査」を受けます。検査結果がAaであれば,給付金の支給対象になりますが,Aeであれば支給対象になりません。

検査費用の給付(和解が成立した場合)

訴訟の結果,国と和解が成立した場合,「主要な遺伝子方を判定する検査」の費用として2300円(保険給付長い場合には8500円)が支給され,AaかAeかを判定する検査については1万5000円が支給されます(和解が成立しなかった場合には支給されないので検査費用は自己負担となります。)

父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合

塩基配列を比較した血液検査結果

父親からの父子感染でないことを証明するために,父親と原告のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査(HBV分子系統解析結果)を提出する必要があります。

検査方法

塩基配列についての分子系統解析の方補を用いて比較した検査は,医療機関から検査会社へ委託して行われるため,医療機関に検査を申し込むことになります。

検査費用の給付(和解が成立した場合)

検査費用は保険対象外になるため自己負担になりますが,訴訟の結果,国と和解が成立した場合,検査費用として6万5000円が支給されます(和解が成立しなかった場合には支給されないので検査費用は自己負担となります)。

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