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訴訟をすると回収額は多くなりますか

訴訟をする,ただそれだけで全然違う ~ なのに訴訟しない事務所が多い

訴訟をしない場合より訴訟をする場合の方が回収額が大きくなる傾向は顕著です。貸金業者の経営状況が良かった数年前よりもその差はより大きくなる傾向にあります。

訴訟をすれば回収額が大きく増えることが分かっていながら,敢えて提訴を避けるのは専門家の怠慢でしょう。当事務所では訴訟の場合も報酬は変わらず訴訟費用の負担もないので,過払い金を確認したら直ちに提訴します(その方が時間を無駄にしません)。特に今は提訴しないで和解すると返還が早いという状況にもありません(単に減額するだけとなる)。

訴訟するだけで金額が大きく増えるのに,大量受任・事件処理の効率化を優先させて訴訟をしない回収をする事務所が多くあり,少数の徹底回収事務所と多数の大幅減額回収事務所の二極化が進んでいます。

(参考:高い過払い金の回収率(返還率)を維持できる理由~進む二極化

なぜ,訴訟をするだけでなぜ回収額が増えるのか

提訴すると回収額が大きくなる理由として,担当者部署(権限)が異なる点があります。多くの貸金業者は,訴訟前の交渉担当部署と訴訟の担当部署が異なります。交渉担当部署は,訴訟担当部署よりも和解権限が制限されています。まず前提として交渉担当部署では無利息方式が基本とされます。

無利息方式では,過払い金元本の額自体が利息充当方式より少なくなり。そして,無利息方式(又は利息非充当方式)での”元本額まで”,"元本額の○割まで"などの制限があります。また,金額が数百万円と多額の過払い金の場合には一律"200万円まで","300万円まで"などと和解できる金額に上限が設定されている場合もあります。貸金業者の経営環境悪化に伴い交渉担当部署の権限は低額になってきています。ネット上で,提訴前なら「元本の8割」などと目安が書かれているのを見かけますが,これは交渉担当部署の権限がそこまでに制限されているからです。

訴訟をすると担当が訴訟担当部署に移り,交渉担当部署のような権限の制約がなくなります。権限が狭い相手よりも権限の広い部署を相手とすることができるため訴訟の方が和解額(回収額)を多くできることになります。

さらに,交渉担当部署では,"推定計算による金額での和解はできない","譲渡・切替事案では譲渡後・切替後の額まで",”不動産担保取引への切替えは分断計算の額まで"などと論点により制限がされている場合があります。債権譲渡・契約切替事案,不動産担保切替事案など一連計算での支払を得るためには判決を得る必要があり,このような事案で訴訟をしないことは最初から貸金業者側の計算方法を受け入れることになります。これらの計算方法の違いによる金額の際は非常に大きくなるため訴訟をしないで和解すると訴訟の場合に回収しうる金額よりも非常に低額となるため訴訟をするかしないかで回収額に大きな差が出ます。

本人が請求する場合でも,単純な一連取引の場合であれば,大手貸金業者では無利息方式の元本額の60~70%程度は返還してくることが多いので,報酬を支払って専門家に依頼した場合に,訴訟をしないで和解可能な額で回収すると報酬を差し引いた額が本人請求で返還を受ける額と変わらない又はかえって少なくなるおそれもあります。交渉担当の権限の範囲での和解でよいのであれば,本人請求を試みるのも良いと思います。

報酬を得て回収作業を行う専門家は,依頼者の財産を預かっているのですから,訴訟中心の回収により依頼者の手元に残る金額が少しでも多くなることを目指す必要があります。

訴訟をすると報酬率が大きく跳ね上がる設定の注意点

訴訟をすると回収報酬率が高くなるの設定が多く見られますが,その差が非常に大きい例が最近見られます。広告上は,訴訟しない場合の報酬率(14.28%や18.9%など)が大きく表示され,訴訟をした場合には報酬率が跳ね上がる(25.2%や26.25%など)ことが注意書きや別ページなどで分かりにくく表示されている例があります(曖昧な費用の定めに注意)。この場合,訴訟をしないで低額和解で低率の報酬か,訴訟をして十分な回収をして高い報酬かのいずれかとなるおそれがあり,低い報酬率に惹かれた依頼者は期待を裏切られるおそれがあります。依頼するときには,かならず訴訟をする場合と訴訟をしない場合の回収額の差と,報酬率の差を確認しておく必要があります(当事務所では訴訟をしても報酬は回収報酬18%(税別)のみです)。

なぜ,交渉中心で回収する事務所が多いのか

訴訟をするだけで回収額が大きく増えるのに,交渉中心で回収する事務所が多い理由として考えられる主な理由を挙げます。

  1. 事件処理の効率を高めることができる
    訴訟は相当の労力が必要です。また,出廷が必要なので事務員に対応させることができません。1件毎の回収額よりも全体としての回収額を重視すると1件毎の減額は大きくても,交渉回収で大量の事件を処理した方が効率が良くなります。
  2. 貸金業者の経営に協力的になっている ~ 貸金業者の「取引先」化
    貸金業者と事務所の取引先のような関係になってしまい,将来の債務整理業務維持のために貸金業者が破綻しないように貸金業者の経営に協力的になってしまっている危険性があります。「取引先」としての貸金業者の存続のため,破綻リスクや長期化リスクを過度に強調して訴訟をしない大幅減額回収に依頼者を誘導しているおそれがあります。
  3. 司法書士の場合,代理権に制限がある
    司法書士の多くは交渉中心です。それは司法書士は140万円を超える事件を扱えず。140万円以下でも控訴されると扱えなくなるからです。最近は,控訴されることが多いため司法書士にとっては訴訟はやりにくくなっていると思われます。
  4. アイフルについてはさらに特殊な事情があります。
    アイフルについては,経営不安以外に,事務所が訴訟に消極的に成らざるを得ない事情があります。詳しくはこちら

司法書士による訴訟としての実体・実質がない本人訴訟支援に注意

司法書士は,計算上,140万円を超える過払金返還請求については,法律上,代理・交渉・相談ができず,本人が行う訴訟(本人訴訟)について,訴状などの裁判書類作成を請け負うことしかできません(参考:弁護士と司法書士の違い)。

ここで,司法書士の中には,形式上,非弁行為になることを避けるため,140万円超の事案について,貸金業者と和解金額の調整をした上で,形式的に,本人に本人名義で訴訟を提起させ,提起するとすぐに調整済みの額で本人に貸金業者と和解をさせ,実質的な審理が始まる前に訴えを取り下げさせるものがいます。

司法書士が裁判書類作成業務の形を取って報酬を得るためだけに本人に提起させる訴訟なので,実質的な審理が予定されておらず,訴訟としての実体・実質はありません。その訴訟は,貸金業者との出来レースになっています。

そのため,和解金額は,訴訟をした場合に回収できる額でなく,訴訟をしない場合に貸金業者が応じる金額に設定されます。貸金業者も訴訟の実体がないのは分かっているので,訴訟を提起されていないものとして,対応すれば足りるからです。

このように,司法書士が形式上非弁行為にならないよう裁判書類作成業務としての体裁を整えるためだけに本人訴訟を提起しても回収額の増額は見込めないので注意が必要です。

(参考:司法書士の権限外業務と報酬

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