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(意見広告)

司法書士法人新宿事務所(代表阿部亮司法書士)の指針を逸脱した報酬,不正確な報酬表示,非弁行為問題等

弁護士 八下田  学 

(最終更新:H28.7.14 追記部を除く)

追記:平成29年4月,新宿事務所は阿部亮司法書士が脱退してCMを停止し,同じ場所に新たに開設された「司法書士法人中央新宿事務所」(代表田中秀平司法書士=新宿事務所の元特定社員)が同じ報酬体系で営業を開始しています(H29.6.7)
*追記:新宿事務所の幹部を研修部理事にしていた東京司法書士会(H29.5.19)
*追記:独立した幹部が同じビル内に開設した事務所が共同受任する形へ(H29.5.19)
*追記:不可解な動き・重い懲戒処分の噂 預けてある過払金は安全か?(H29.5.24)
 ~新宿事務所はCM停止。同じ場所で「中央新宿事務所」が同じ報酬体系で営業開始~

規模の拡大と共に指針超えの範囲を広げている

報酬図5

(上表は300万円減額,交渉で200万円回収した場合)

例では,指針の上限は報酬70万,依頼者の手元に残る過払金は130万。新宿事務所の現在の報酬では,これがほぼ逆転し,報酬124万5000円,依頼者の手元に残る過払金は,75万6000円。

はじめに

司法書士法人新宿事務所は,阿部亮司法書士が代表を務める債務整理・過払金返還請求業務を扱う司法書士法人です。

追記:H29.3.31に阿部亮司法書士は突然新宿事務所を脱退し,現在,齋藤禎範司法書士が司法書士が代表に就任しています(H29.6.7)

阿部亮司法書士は「社長」を名乗り,複数の支店を設け,テレビ,ラジオ,ネット,新聞など各種メディアで大々的に宣伝広告を展開しており,報道(H28.2.6朝日新聞)によると,約500人の従業員(内約100人が司法書士)をかかえ,過払金返還業務の約2割(金額ベースで8%)を占めて首位を占めているとのことです。

当事務所では,かねてより,弁護士・司法書士とのトラブル・セカンドオピニオン相談を受けていますが,新宿事務所に関する相談事案が突出して多く,相談を通じて把握した新宿事務所の勧誘方法,指針を超える高い報酬設定,断定的な消極的な見込みの説明,貸金業者側に有利な計算方法での計算,取引履歴交付拒否,低い解決レベル等を聞いて,新宿事務所の職業倫理(モラル)に疑問を感じてきました。

従前,当事務所では,新宿事務所の名は上げませんでしたが,一般の方への注意喚起として,本サイトの各所で,問題のある費用設定,問題のある説明・事件処理として,新宿事務所の費用設定や事件処理を念頭に置いた解説をし,職務上・委任契約上の義務を遵守する事務所の選択を促してきました。

新宿事務所は,平成27年には,まるで過払金の返還期限が一般的に迫っており,平成28年になると返還請求できなくなるかのうように誤解させる広告を出して,専門家の間で問題になり,広告を差し替える事態になりました。

当事務所では,代表阿部亮司法書士が所属する東京司法書士会や監督官庁である東京法務局に問題点を指摘して適切な指導を要請したこともあります。

そして,新宿事務所について,H27.8.1に産経新聞で,H27.10.28にビジネスジャーナルで,H28.2.6に朝日新聞で問題点が指摘されるに至りました。産経新聞は,過払金返還請求を煽る広告を出したことが問題になっていることを報じ,ビジネスジャーナルは,相談者の知らないところで,無断で過払金を回収して全額を報酬に充当して訴訟になっていることや,委任状を偽造して提訴した疑いを報じ,朝日新聞は,日本司法書士連合会の指針を逸脱した報酬を徴収していることを報じています。

そして,H28.2.12,新宿事務所の複数の司法書士に弁護士法違反(非弁行為)の疑いがあるとして,監督官庁である東京法務局に懲戒請求が申し立てられたことが報道されました(H28.2.12朝日新聞)。

司法改革の一環として,弁護士過疎問題を解消して,国民の司法へのアクセスを容易にし,国民の権利保護を強化するため,司法書士に簡易裁判所訴訟代理権(140万円以下の民事事件の代理権)を与え,報酬設定・広告が自由化されましたが,その目的が意図されたとおりに実現するかは,個々司法書士の職業倫理(モラル)にかかっています(この点は,弁護士も変わりません)。

法的な拘束は解かれても,職業倫理(モラル)の拘束は解かれません。むしろ,法的な拘束がなくなるほど,法律家は自らを職業倫理(モラル)に拘束させる必要が生じます。

「法的拘束力がなければ無視しても良い」「違法でなければ何をしても良い」という考えは,消費者被害をもたらす悪徳業者の発想であって,法律家の発想ではありません。

自らを職業倫理(モラル)の拘束に復させない弁護士・司法書士にとって,与えられた権限と自由は,国民の無知に乗じて,受任を煽り,高い報酬で契約させ,大量受任,短期処理,高い報酬で莫大な利益を得るための手段にしか映らないでしょう。そして,そうやって得た強大な資金力で,更に大々的な宣伝広告が展開すれば,そのような芸当ができないまじめな専門家は太刀打ちができず,結局,国民は,規範意識の高い優良な専門家へのアクセスが難しくなります。

法的拘束力はないが職業倫理(モラル)を重視して,司法書士なら日本司法書士会の指針,弁護士なら日本弁護士連合会の規定を遵守し,法的拘束力はなくてもそれに従ってきた他の法律家をよそに,法的拘束力はないとして指針を超える報酬を取ることで収益を上げ,その資金力で大々的に宣伝広告を展開した法律家が,取扱量1位となった現状は,まさに司法改革よる規制緩和の弊害が最悪の形で現れたということができるのではないでしょうか。

当事務所は,数年来,多数の相談者から新宿事務所について情報を得てきました。新宿事務所,職業倫理感を欠いているか,不十分であり,まるで貸金業者が消費者金融を営むように,営利を目的とする会社を経営する感覚で,与えられた権限と自由を利用し,利益追求に邁進しているのではないかとの疑念を抱かざるをえません。

新宿事務所の対応に疑問を感じてきた専門家は多数いますが,ついには,複数の報道機関が名指しで問題点を指摘し,日本司法書士連合会の副会長及び理事も新宿事務所の報酬体系は「『報酬額を適正化することで依頼者の利益の保護を図るとともに、司法書士に対する国民の信頼を確保する』とした指針の目的から大きく外れている。依頼者の生活再建を目指すためには、なるべく多い金額を返すべきなのに遺憾だ。」と述べるに至っています(H28.2.6朝日新聞)。

信用第一の法律家を名指しで報道するのは,尋常なことではありません。相当の裏付けを持った報道であると考えられ,その事業展開の規模・取扱量から,問題の事案の潜在的件数は相当数に上ると予想されます。

本来司法書士が負っている使命に鑑み,また,新宿事務所の規模,全国的に大々的に宣伝広告をして依頼を募っている状況から,新宿事務所は,すでに公の批判に耐える立場になっていると考えられます。

報酬・広告が自由化された趣旨は,自由競争により費用の合理化をはかり,また,優良な専門家へのアクセスを容易にするためです。しかし,報酬・広告内容も,違法でなければ取り締まりが難しい状況では,費用設定・広告内容が無批判のまま野放しとなれば,職業倫理を無視した悪質な法律家による寡占化により,報酬・広告が自由化された趣旨と逆行した状況が生まれるおそれがあります。報酬・広告の適正は,公の批判により確保する必要があり,報酬・広告の自由を享受するなら,公の批判に耐えなければなりません。

指針を逸脱した報酬-特殊な「歩合成功報酬」と曖昧な報酬表示

「過払い金請求で指針超す報酬 扱い首位の司法書士法人」(H28.2.6 朝日新聞)

司法書士の債務整理・過払い金返還請求については,日本司法書士連合会が定める「債務整理事件における報酬に関する指針」(H23.5.26制定/H28.4.27改正)が,報酬の上限を定めています(弁護士については,日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(H23.2.9)及び同規則により上限が定められています)。

指針は従前の標準的な報酬モデルを踏襲したものですが,指針は,あくまで上限を定めたもであり,その上限自体は必ずしも安いものではありません。この点は,指針を超える報酬の妥当性を考える上で重要です。

報酬は自由化されているため,指針に法的拘束力はありません。しかし,職業倫理(モラル)の点から,ほぼすべての司法書士がこの指針に従い,指針を上限としてた費用設定を設けています。指針の上限自体が必ずしも安い設定ではないので,指針内の報酬で足りるようになっています。

しかし,新宿事務所は,この指針を超える報酬体系を設定しており,これが平成28年2月6日の朝日新聞で報じられました。

日本司法書士連合会の副会長及び理事も新宿事務所の報酬体系は「『報酬額を適正化することで依頼者の利益の保護を図るとともに、司法書士に対する国民の信頼を確保する』とした指針の目的から大きく外れている。依頼者の生活再建を目指すためには、なるべく多い金額を返すべきなのに遺憾だ。」と述べています。 

報道後に改定,さらに指針超えの範囲を拡大

新宿事務所は,債務減額額と回収額の合計額を得た経済的利益として,経済的利益が400万円以下の部分は26.9%,400万円を超える部分は9.8%にしていました。

平成28年2月6日に,この報酬が日司連の指針を超えると朝日新聞で報道された後,新宿事務所は,2月17日までに報酬を「得た経済的利益の24.9%」へ変更しました。

上限を最大26.9%から2%下げたので,一見,改善したように見えます。

しかし,変更後の報酬表示を見る限り,なお指針の上限の最大2.49倍の報酬になるだけでなく,従前の「400万円を超える部分は9.8%」という設定がなくなったことで,400万円を超える部分についても一律24.9%が適用されるようになります。

すると,結局,新宿事務所は指針超えとなる範囲を広げたことになります。

最大手の司法書士法人でありながら頑なに指針に従おうとしない姿勢は非常に疑問です。

 

(債務を300万減額し,交渉で200万円回収した場合)

報酬図4

 

指針の上限との比較(改定後の報酬について)

報道を受けて改定された報酬について,指針の上限の額と比較しています。

例では,6万円くらい安くなるようにしたことになりますが,指針の上限を超えているという本質的に変わりありません。

 

 (交渉で債務を200万円減額し,過払金を100万円回収した場合)

報酬図1

   (報酬の比較/税別)

日司連の指針の上限 新宿事務所の歩合成功報酬
報酬の対象 区分 報酬 報酬の対象 報酬
減額部分
※1
争いなし 0% 経済的利益
(減額部分
+回収部分
24.9%
※2
争いあり 10%
回収部分 訴訟なし 20%
訴訟あり 25%

200万円の債務を整理し,過払金100万円回収した場合

(括弧内は,争いがなかった場合の額)

減額報酬 20万円(0円) 歩合成功報酬 74万7千円
回収報酬 20万円
合計 40万円(20万円) 合計 74万7千円

※1 日司連の指針では,法定利息計算上,債務がないことを貸金業者が積極的に争ってきた場合と争わなかった場合に分けて上限が定められています。

※2 報道時(H28.2.6)は,26.9%(80万7千円)だった。

一般的ではない,特殊な報酬体系

新宿事務所の報酬体系は一般的ではない特殊な設定であり,また,ウェブサイトや広告に載っていない(容易には見つけられない?)各種手数料があります。当事務所の知る限りでは,新宿事務所以外に指針を超える報酬を設定している司法書士を知りません(弁護士でも弁護士会の規定を超える報酬を設定している弁護士を知りません)。

指針では,減額報酬は減額金額の10%(税別)が上限で,法定利息計算上債務がないことを貸金業者が積極的に争わなかった場合は0円と定められています。

しかし,新宿事務所は,減額部分にも24.9%(税別)もの報酬が発生する設定しています。貸金業者が積極的に争ってきた場合でも指針の上限の2.49倍という高額報酬です。

例えば,100万円の債務の整理を依頼して,新宿事務所が法定利息計算したところ法律上は債務はなく過払い状態だった場合,指針に従えば,減額報酬は,貸金業者がこれを積極的に争っていなければ0円,争ってきた場合には10万円(税別)が上限のところ,新宿事務所では,減額部分に24万9000円(税別)の報酬が発生します。

過払金回収報酬についても,指針では,訴訟をしないで回収した場合は20%(税別),訴訟で回収した場合は25%(税別)が上限です。

しかし,新宿事務所は,訴訟をしないで回収しても回収部分に24.9%(税別)の報酬が発生します。100万円を回収したら,訴訟をしなくても回収部分に24万9000円(税別)の報酬が発生することになります。

訴訟の場合の報酬は,新宿事務所の報酬は指針の上限より0.1%少ないですが,改訂前に契約では新宿事務所では訴訟をすると更に1社4万9800円の手数料が発生することになっており,この手数料が改定されたか,そもそも各種手数料の記載をしないので不明です。

同じ例で,貸金業者が5割50万円の返還を提示したのでそれで和解したら,新宿事務所の費用設定では報酬はどうなるでしょう。当事務所では,新宿事務所から元本5割等で和解する方針であると説明されたという相談を多く受けているので,新宿事務所へ依頼して5割程度の解決になった例は多くあると思います。このような和解は,取引履歴を計算して貸金業者が応じる範囲の額で和解書作成するだけでほとんど手間はかかりません。しかし,新宿事務所の報酬は,着手前の債務100万円と回収した50万円の合計150万円の24.9%で,37万3500円(税込み40万3380円)になります。訴訟をせず取引履歴の計算と和解書作成だけで37万円以上の報酬になるのです。依頼者は貴重な過払金を50万円も放棄させられたのに,新宿事務所は指針より高い十分な報酬を得ることになります。

全額回収して指針どおりの報酬でも安くはないので,全額回収すれば指針の上限を超えてもよいというものでもはありません。全額回収を方針にする弁護士・司法書士で,それを理由に規程・指針より高い報酬体系を採用している者を知りません。

依頼者にとって,敢えて指針を超える報酬体系の事務所へ依頼するメリットはありません。

「経済的利益」に対する「歩合成功報酬」という特殊な設定

「経済的利益=債務減額額+過払金回収額」なので報酬が高くなりやすい

新宿事務所の報酬体系は非常に特殊です。

債務整理・過払い金返還請求の報酬は,一般的に,また歴史的に,減額金額に対する減額報酬○%,回収金額に対する回収報酬○%という形で設定されます。日司連の指針,日弁連の規程もそのように設定しています。

しかし,新宿事務所では,着手前の債務額と回収した過払金額の合計額を「経済的利益」として,これに対して24.9%の「歩合成功報酬」という名目の報酬が発生するとしています。計算上は,減額報酬も回収報酬も24.9%にしたのと同じになります。

この報酬体系では,報酬は減額部分で大きく発生するので,過払金をあまり回収しなくても,報酬を十分に取ることが可能になります。

過払金は,多く回収しようとすると手間と時間,そして技術が必要になりますが,減額部分は,法定利息計算だけで生じるので,手間と時間がかからず,計算ソフトだけあれば,特に技術は要りません。

減額部分に報酬が大きく発生する報酬体系は,それを採用する専門家にとって,手間を掛けず,過払い金を多く回収しなくても,十分な報酬を得られる,おいしい報酬体系なのです。しかし,これは,依頼者にとっては,過払金の回収額が少なくても多く報酬を払う不利な報酬体系であることを意味します。

そのため,指針では,労力・技術がより必要な部分で多く報酬が発生するよう,減額部分減額報酬は10%か0円にし,報酬金が過払金回収部分に大きく発生するようになっているのです。

整合しない「費用について」と「お客さま事例」(H28.2.23)

新宿事務所のサイトの「費用について」には,「経済的利益の24.9%」と「基礎成功報酬49,800円×お借り入れ先数」となっています。

他方で,「お客さま事例」には回収額と手取額が記載された事例がいくつかありますが,「3ヶ月後24万円の返還が決定」のタイトルの事例では「3ヶ月後24万円の返還が決定。報酬+諸経費を差し引き,183,854円が私に返金されました。」とされています。

このお客さま事例を素直に読むと,5万6146円(回収額の約23.4%)が報酬・諸経費になったと理解できます。

しかし,「費用について」で表示されている設定に基づけば,歩合成功報酬が24万円×24.9%で5万9760円,基礎成功報酬が4万9800円なので,諸経費と消費税を除いても合計10万9560円(税別)になります。すると,税込み前・諸費用なしで計算しても,手取額は13万0440円にしかなりません。費用は,回収額の約45.7%になります。

費用の説明と事例の内容が整合していません。

他の事例3社で「過払金が126万円返ってきた!」という事例でも「94万円もの金額が私に入金されました」とありますが,これも計算がありません。基礎報酬3社分149,400円+歩合成功報酬315,732円で報酬は46万5132円となるので,諸経費・消費税なしでも受取額は802868円にしかなりません。(なお「300万円の返済の内なんと126万円を取り戻して頂きました」との記載は意味すら不明です)。

「武富士倒産を機に請求」の事案も4社で回収額104万4千円と受取額80万円程は計算が合いません。

しかも,新宿事務所は,2月6日の指針超え報酬の報道後に24.9%に下げているので,上記事案は,変更前の26.9%又は29%の時期等の事案であったはずであり,そうだったとするとさらに手取額がお客さま事例に記載されている額になることはありません。

かつ,現在改定されたか不明ですが,改定前は1社9800円(税別)の精算手数料と1社4980円(税別)の文書通信料が別途ありました。

仮に,費用がすごく安い時期があり(あったか知りませんが),その時期の例であれば,現在の報酬表示と共に事例として挙げるのは不適切で,少なくとも,当時の費用設定を注記する必要があります。

また,新宿事務所は,積立金制度と称して,依頼後,将来の報酬確保等のため毎月一定額を積み立てさせることを行っていますが,まず積立金を報酬に充て,報酬の残額を回収金から差し引いたので上記額になったというのであれば辻褄が合いますが,そうであればその旨記載しておかなければ分かりません。

事例を見た方は,みなその程度の報酬で済むと誤解するでしょう。

明らかに,お客さま事例の内容は,実際の費用設定より,有利に記載されています。

これは景品表示法上,問題があります。

さらには,「悩みが消えて良かったです」の事例に至っては,回収額が2社55万8千円なのに「2社で100万円弱の戻りがあって」とされており,明らかに矛盾しています。ここまで来ると,お客さま事例の記載されている内容が実際の事例を正しく記載したものか疑わしくなります。

改訂前の経済的利益の「9.8%~26.9%」という不正確な表示

実は,「400万円以下の部分の26.9%+400万円超部分の9.8%」だった

報道された当時の報酬体系の問題点と,広告での表示の不正確さを知ることは,新宿事務所の職業倫理・姿勢を知る上で重要です。

そのため,報道された改訂前の報酬の問題点を明らかにしておきます。

 

報酬3

 ※300万円の債務を,交渉で債務0円にし,200万円回収した場合

 ※報道された当時(H28.2.6)の契約条件に基づく。

 

改定前,新宿事務所のウェブサイトの「費用について」(H28.2.9時点)の報酬の記載を見ると,歩合成功報酬「9.8%~26.9%」と表示されていました。

一見,回収した金額に応じて,報酬率が9.8%~26.9%まで段階的に変わるかのように読め,報酬が9.8%だけで済む場合があるかのように読めます。

ところが,実際には,経済的利益が400万円を超えれば,その超えた部分についての報酬は9.8%になるというもので,9.8%の報酬は,400万円以下の部分に対する26.9%の報酬に加算される報酬になります。そのため,報酬が,9.8%だけで済むことはありません。

このような報酬設定のとき,報酬「9.8%~26.9%」という記載は正しくありません。9.8%の報酬が発生するとき,すでに400万円以下の部分に26.9%の報酬(107万6000円)が発生しているので,報酬が9.8%だけになることはないからです。

「9.8%~26.9%」という報酬表示では,経済的利益400万円までの部分は26.9%の報酬が発生するということが理解できず,まるで,報酬9.8%だけで済む場合があり,一般的な報酬額より低い報酬で済む場合があるかのような誤解を生じさせます。

正確には,「400万円以下の場合は,26.9%。400万円を超える場合は,400万円以下の部分に対する26.9%に加え,400万円を超える部分に対する9.8%」であり,「経済的利益の400万円以下の部分に対する26.9%+400万円を超える部分の9.8%」と表示する必要があります。

9.8%の報酬の恩恵を受ける者がどれだけいたか?

日司連の指針では,金額にかかわらず交渉で回収した額の20%が回収報酬です。

新宿事務所は400万円を超える部分はこれより低い9.8%の報酬を設定していますので,400万円を超える部分が多くなれば,400万円以下に対する26.9%とバランスが取れるようにも見えます。

実際に,9.8%という数字に惹かれて依頼した方もいるのではないかと思います。

では,9.8%の報酬が適用されたことにより,指針より安い報酬の恩恵を受ける依頼者はどれだけいるか考えて見ます。

まず,完済した業者に対する過払金返還請求事案で,いったい回収金がいくらになれば,新宿事務所の報酬額は,指針の上限20%による報酬額を下回るのか計算すると(1万円単位),実に過払金を671万円以上回収しないと,新宿事務所の報酬額は指針の上限額を下回らないのです。

 

 完済事案:671万円以上回収して,初めて指針の上限を420円下回るが・・・

  新宿事務所のサイトによれば過払金平均発生額は93万円。ということは・・・

報酬図2

 

次に,完済した事案ではなく,債務整理で,例えば,実際には過払い状態の400万円の債務について債務整理を依頼した場合,過払い金を663万円以上回収しないと新宿事務所の報酬は指針の上限による額を下回りません。しかも,この例で,過払い状態であることを貸金業者が積極的に争わなかった場合(訴訟をしないで済むのは貸金業者が争っていないからですが),指針では減額部分の報酬は0円となっているので,新宿事務所の報酬が,指針の上限を下回るには,なんと過払金を1055万円も回収する必要があります。

新宿事務所のサイトでは「平均93万円ありました」と説明されていますから(H28.6.9時点),回収額がこれらの額になることがいかに期待し得ないことか分かります。

そもそも司法書士が扱える上限金額は1件140万円以下です。新宿事務所は140万円超の事案は提携の弁護士を紹介するシステムを採っています。そのため,回収金が600万や1000万円を超えるには,1社140万円以下の複数の業者から回収した合計額がそれらの額になる必要があります。しかし,140万円以下の少額案件を複数のまとめて,回収金が合計で670万円や1055万円を超える事案がどれほどあるでしょうか。

しかも,当事務所がセカンドオピニオン相談で知る限り,新宿事務所は,回収に支障がない業者でも,貸金業者に有利な計算方法(利息非充当方式)で算出した元本額を下回る(5割~7割など)での和解を勧めています(少額しか回収しないが,報酬が高くて手元にほとんど残らないという相談が多く寄せられています)。新宿事務所の「平均93万円」という説明も平均「発生額」であって,平均「回収額」とは言っていないので注意が必要です。

仮に全部7割回収して回収金が670万円になったとすると,もともと発生していた過払金は957万円だったことになります。仮に5割回収なら,発生していた過払金は1340万円だったことになります。権限に制限がない弁護士でもこのような高額事案は少数です。ましてや,1社140万円以下の事案しか扱えない司法書士が扱う事案において,このような事案は極めて稀でしょう。

減額金額2億9千5百万円の債務整理事案ってあったのか!?

新宿事務所のサイトでは「平均発生額93万円」と説明されているので(H28.6.9時点),仮に,この平均「発生額」93万円を,新宿事務所が全部回収しているとしても,新宿事務所の平均的な回収額は93万円程度であることになります。

ここで93万円の回収額で,依頼者が9.8%の適用を受けるには債務額と合計で400万円を超える必要があるので,307万円超の減額金額が必要です。

では,減額報酬についての指針の上限10%が適用される事案として,新宿事務所が93万円を回収した場合,新宿事務所の報酬額が指針の上限の額を下回るには,一体,いくら減額すればよいか計算すると,なんと,約2億9千5百万円も債務を減額する必要があるのです。

そんな事案ありません。

100万円~300万円の債務を整理して93万回収で解決なら多くあると思いますが,その場合,新宿事務所は指針の上限よりも,約23万円(債務100万,争いあり)から約98万円(債務400万,争いなし)も多く報酬が発生し,報酬額は回収した93万円を超えます(基礎報酬,各種手数料は別です)。

このように「9.8%」の恩恵を受ける依頼者はほとんどいないか,非常に少ないと考えられます。

結局,9.8%の報酬設定は,ほとんど,又は多くの人には,9.8%だけで済む場合があるかのようなに誤解させるだけで,無関係の費用設定となります。

なぜ,わざわざこんな誤解を招く,分かりにくい記載をする必要があるのでしょう。

新宿事務所は,このような指針を超える報酬設定や不正確な広告,そして,後述する過払金の返還期限が迫っているかのような広告を出すなど,一般の方が,冷静で正しい判断ができる情報提供をする姿勢に欠けると言わざるを得ません。

報酬体系を理解していなかった新宿事務所の秘書

新宿事務所の秘書のブログ(H28.2.10時点)には,「9.8%~26.9%」という費用設定について,「金額が少なければ少ない報酬と、金額に応じて%が変動する安心システムです。」と紹介されていますが,明らかに事実に反する説明です。新宿事務所の報酬は,金額が極めて高額にならない限り高いのです。

(参考:過払い・借金整理なら法律秘書いおりまで!~借金解決ブログ~

一般の人は「9.8%~26.9%」という表示と秘書を名乗る者の上記説明を見れば,回収額が少なければ,9.8%の報酬だけで済むと誤解してしまうでしょう。

当事務所もセカンドオピニオン相談で相談者から新宿事務所の契約書を見せてもらうまでそのように誤解していました。

新宿事務所が秘書に指示して書かせているのであれば問題ですが,仮に秘書が勝手に個人的な趣味で書いているとすれば(勝手にそんなことするとは思われませんが),少なくとも,事務所名を出してブログを書くほどの秘書が事務所の報酬体系を理解しないで業務に当たっていることになります。理解していたら嘘を書いていることになります。

基礎報酬ほか,広告に記載がない(容易には分からない?)手数料が存在

ただし,改定されたかどうか不明(そもそも費用を全部記載しないので)

基礎報酬のほかに各種手数料という設定をする事務所は他にも多くあると思います(当事務所はありませんが)。手数料名目による報酬の膨らましや広告等に記載しないことは古くからある問題で,新宿事務所以外でも契約書に,何の手数料が良く分からない手数料が複数あるものを相談者から見せてもらったことがあります。

そして,指針を超える報酬を設定している場合,他に手数料を取っているか,取っているといすれば,その項目と額は何かは,それが広告等に分かりやすく明記されているかは,その報酬体系が職業倫理に照らして妥当性であるかを検討する上で,特に重要です。

100万円の債務を整理して50万円回収した先の例で,歩合成功報酬だけで済んだとしても回収50万円の内,依頼者の手元には9万6620円しか残りません。

当事務所が把握している新宿事務所の契約書内容(H27.4時点)を見るとこれでは収まりません。新宿事務所の報酬体系が,司法書士の職責(司法書士法2条),職業倫理に照らして合理的なものかは,他の費用項目も考慮する必要があります。

まず,1社4万9800円(税別)の基礎報酬が発生します。これはサイトに記載があり,指針も上限を5万円としているので,指針の枠内の報酬ですが,ほぼ指針の上限の基礎報酬がありながら,さらに指針を超える歩合成功報酬が妥当かは問題が残ります。

さらに,「各借り入れ先との事務処理における文書通信費」として1社4980円(税別)があります。これはサイトに記載がありません(または容易には分からない?)。仮に,5社頼んだら,契約上,文書通信費だけで2万4900円かかります(もちろん基礎報酬とは別にです)。

「精算手数料」って何!?

「精算手数料(お客さまへの文書通信費,振込手数料等を含む)」として1社につき9800円(税別)が発生します。これもサイトに記載がありません(または容易には分からない?)。

当事務所は,回収金を精算するのは事務所の義務であり,その作業は報酬でまかなわれているべきものあり,精算手数料を数千円も取るのはおかしいと以前から指摘してきました。依頼者との文書通信費や,回収した金額から報酬を控除して依頼者へ送金するための実費はいくらもかからないので,これは実費名目の報酬です。回収の依頼を受け,基礎報酬や歩合報酬(それも高い)をもらっているのに,その回収金を依頼者へ送金することに対する手数料が1社約1万円もかかるということです。

しかも,1回9800円(税別)ではありません。

1社9800円(税別)です。

新宿事務所は,1社ごとの精算をせず全社一括清算ですから,仮に5社分なら,返して貰うべきお金を返してもらうのに,なんと4万9000円(税別)も精算手数料が発生することになります。返還すべきお金が50万円の場合,事務所が依頼者にお金を送金するだけで1割もの手数料を徴収することになります。

金融機関所定の振込手数料は1回数百円です。送金手続の手間があっても,それは過払金回収報酬で賄われるべきものです。全件解決後に1回精算するのに1社9800円,5社なら4万9000円,これで,さらに指針を超える高い報酬ですから,非常に高い費用設定です。

報酬の前払い(積立)のお釣りを返して貰うのに精算手数料9800円?

新宿事務所は,「積立制度」と称して,受任時から毎月依頼者に一定額を積み立てさせていきます。名目は返済原資を積み立てさせるということになっていますが,報酬に先に充当されるので,事実上,報酬確保(報酬の前払い)として機能しています。

実際に当事務所へ相談に来られた方の事例で,ある業者に対して債務整理を依頼したところ毎月1万円の積み立てを求められた方がいます。「初期費用0円」を謳っていますが,結局,基礎報酬を含めた報酬を分割で前払いさせられることになるので,「初期費用0円」の意味がありません。

そして,なかなか和解が成立せず,10万円(10ヶ月分)積み立てたところ,その業者の債務を分割弁済する和解が成立することになりましたが,返済原資として積み立てたはずの10万円は返済に充てられず,10万円から報酬(8万数千円)が差し引かれ,お釣りとして残りが本人へ返金されることになるのですが,その報酬には,前払いさせた報酬から実際の報酬を差し引いて,お釣りを返す手数料として精算手数料9800円(税別)が含まれているのです。

報酬に充てるため依頼者に前払いさせたお金(積み立てさせたお金)から報酬を差し引いてお釣りを依頼者に返還するのに,精算手数料を取るということです。

一体これは何に対する対価(報酬)なのでしょう?

依頼者に前払いさせたお金から自分の報酬を控除してお釣りを返すのに手間がかかるのでその手間賃をもらうということでしょうか。そうであれば,コンビニで店員がレジ打ちする手間代を請求するようなものです。

例えば,お店で8500円の商品を買う場合,10000円をお店に渡せば,お釣りは1500円ですが,このとき,そのお店が,精算手数料1000円差し引いて500円だけ返したら,あなたは納得できるでしょうか?

お店が正当に受け取れるのは代金8500円ですから,余分に受け取ったお金からお釣りを全部返すのは当たり前で,お釣りを返すための手数料を受け取るのはおかしな話です。結局,これは,精算手数料名目の費用を加算して,8500円の商品を9500円で売ったのと同じです。

依頼者から預かったお金から報酬を差し引いて残りを返還することに対する対価はありえないことです。

しかも,上記の相談事例では,積み立てた額の1割が精算手数料に取られています。暴利を得ていると批判されてもやむを得ません。

仮に,報酬分を事前に積み立てず,和解成立時に報酬を支払うのであれば,9800円を支払う必要は無かったことになります。わざわざ毎月積み立てさせられたあげくに,精算手数料として9800円(税別)を受領する合理性はありません。

積立制度は,依頼者のための制度ではなく,新宿事務所のための制度であると非難されてもやむを得ません。

 

この精算手数料には「お客さまへの文書通信費」が含まれるということですが,この点も非常に疑問があります。依頼者との文書でのやりとりは,経過報告や事務連絡,精算書の送付,取引履歴等の返却が考えられますが,そのやりとりは,債務整理・過払金返還請求の事務処理内容に当然に含まれており,基礎報酬・減額報酬・回収報酬でまかなわれるべきものです。

新宿事務所の基礎報酬・歩合報酬は高い設定になっていますが,では,どの程度,依頼者に文書でやりとりしているでしょうか?

当事務所へ相談に来た方は,ほんとんど,新宿事務所は,口頭でしか説明がなく,文書など形になるものでほとんど報告せず,取引履歴や法定利息計算書等も交付してくれないので,結局,なにがどうなっているのか(どうなったのか)良く分からないと言います。

文書での報告をしていないのであれば文書通信費はかかりません。

新宿事務所は,取引履歴や法定利息計算書を依頼者が強く求めない限り交付しないので,取引履歴や法定利息計算書を交付するための送料などの費用もかかりません。

さらに,新宿事務所の委任契約書(依頼書)には,次のようなおかしな条項があります。

その条項には「本契約の終了いかんをかかわらず,お客様の取引関係書類(お客様と各お取引入れ先との旧契約書等)を当事務所が受領した場合,当事務所は第三者への情報漏洩等個人情報保護の観点に基づき,破棄する場合があることをご了承下さい。」と書かれています。

各業者から開示された取引履歴や返還された金銭消費貸借契約書は,依頼者へ返還すべき物ですが,これらの資料を新宿事務所が破棄できる内容になっています。しかし,新宿事務所がそれらの資料を預かっていると,第三者への情報漏洩等の個人情報保護において問題が生じるのであれば,依頼者へ返還すれば良いだけで,新宿事務所が依頼者のものである資料を破棄する必要はありません。

依頼者に返還すべき資料を返還しないで手元に置いておくと情報漏洩の恐れがあるので捨てますというおかしな条項です。

そもそも,新宿事務所が資料を保管していると情報漏洩の問題が生じるのであれば,それは新宿事務その情報管理体制に問題があるからであり,情報管理体制の改善により解決すべき問題です。

情報漏洩が生じるような体制を改善せず,漏れると困るほど重要な情報が載っている資料を破棄してしまうというのはおかしなことです。依頼者に返還すべき資料を破棄しないと情報漏洩を防げない状態というのはどういう状態なのでしょうか。

この条項は,よく分からないものであり,実際には,依頼者へ返還すべき資料を依頼者に返還する手間,依頼者のために保管している手間を省くためのに機能するものと疑われます。

新宿事務所から,取引履歴はスキャンして原本は捨ててしまったと説明されたという相談事例があり,保管場所節約のため,スキャンして原本は捨ててしまう対応をしている可能性があります。なお,スキャンした情報については,情報漏洩の問題はないようなので,すくなくともスキャンから印刷した書類の交付はできるはずですが,積極的にそれを行っているとは思われません。

すると,新宿事務所がおこなう依頼者との文書通信とは具体的に何を指しており,何らかの書類のやりとりをしたとしても1社9800(税別)に見合うものか非常に疑問です。

 

さらに,精算手数料に含まれる「文書通信費」は依頼者との文書通信の費用のみで,「借入先との事務処理における文書通信費」は別になっており,1社4980円(税別)かかります。考えられられる文書としては,受任通知,和解書の取り交わし,その他いくつかの文書のやりとりですが,いくらもかからないことであり,そもそもそれらのやりとりは,債務整理・過払金回収作業自体に当然に含まれているものであり基礎報酬・歩合報酬でまかなわれるべきものです。

結局,高い報酬のほかに,1社あたり,精算手数料9800円と文書通信費4980円で合計1万4780円(税別)も取られることになります。

5社頼んだらそれだけで4万4940です。

報酬が高く設定されていることからすると合理性に疑問が生じます。

 

さらに,新宿事務所では,訴訟をしてもしなくても回収部分に24.9%と高率の報酬が発生しますが,仮に訴訟をすると,更に1社4万9800円の訴訟手数料が発生します。司法書士が扱える金額は140万円以下ですし,新宿事務所のサイトによれば,「平均93万円の過払金がありました!」というので,4万9800円は平均発生額の約5%相当の額です。

なお,「平均93万円ありました!」と言っているけで,「平均93万円回収しました!」とは言っていませんので,回収額に対する割合は5%を超える場合も相当あると思われます。

指針では,訴訟で回収した場合,過払金回収報酬は5%高い25%まで請求できるとされていますが,新宿事務所は,訴訟をしなくてもそれより高い24.9%でありながら,提訴すればさらに約5万円の手数料をとるということです(改定されていなければです)

なお,仮に140万円の訴えを提起した場合に係る実費(印紙・郵券)は,印紙が1万2000円,郵券は通常2500円程度で済みますから,実費としても高額です。簡易裁判所では,140万円までなら複数の業者をまとめて提訴できるので,印紙代は複数業者で最大1万2000円で済みます(簡易裁判所事案)。

上記は平成27年4月時点の新宿事務所の契約内容を元にしていますが,その1年前の平成26年の時点では,基礎報酬は2万円少ない1社2万9800円,文書通信費は,3980円少ない1社1000円,精算手数料は4980円少ない1回5000円でした。精算手数料は「1回」から「1社」に変更されています。解決内容にかかわらず固定で発生する報酬が大きく上がっています。貸金業者・依頼者との文書通信量が増えたのでしょうか。精算の手間がそんなに増えたのでしょうか(まとめてしか精算しないのに1社毎の精算手数料にするのはなぜでしょう)。大量に受任すれば1件当たりのコストは本来下がるはずです。

契約内容からは,新宿事務所は,いかに多くの過払金を依頼者の手元に戻すかではなく,いかに多くの費用を回収した過払金から控除するかに腐心しているようにすら感じます。

報酬を下げた分,手数料を上げたなんてことがないことを願います。

上記のサイトに記載がなかった手数料は改定されたのか分かりません。

まさか報酬を下げた分,各種手数料を上げたなんてことはないでしょう。

仮に改定していなかった場合,先の例で,契約上,新宿事務所に支払う費用(H27.4時点の契約内容に基づく)を合計すると,報酬手数料は43万8080円,税込み47万3126円となります。契約上は,依頼者は,本来回収できた100万円の過払金の内,50万円を放棄させられた挙げ句,回収してもらった50万円を全額取られ,さらに2万6874円だけ受け取れるということです。

しかも,これは依頼したのが1社だった場合です。この結果が3社分の結果だった場合,契約上,基礎報酬は14万9400円,文書通信費1万4940円,精算手数料2万9400円になるので,減額報酬・回収報酬と合計で56万7240円(税込み61万2619円)になり,手数料が改定されていなければ,新宿事務所は,依頼者に過払金50万円を放棄させ,回収した50万円全額を報酬に充てた上に,さらに11万2619円を依頼者に請求できることになります。

報酬確保等のための「積立金制度」で契約時から毎月積みたてさせたお金を充てることになるのでしょうか。

完済業者からの回収金全部を報酬に取られる可能性

完済した業者に対する過払金返還請求では,報酬は回収した額を上回ることはないとサイトに記載されていますが,回収金を超えた部分は免除するとしても,過払金全額が報酬になってしまう可能性は否定していません。

報酬と回収額を1社毎に比較せず,総額で比較しているのであれば,ある業者については報酬が回収額を超える場合があるでしょう。新宿事務所は,1社毎の精算をしないそうなので,総額で判断している可能性があります。

ここで,新宿事務所のサイトの「お客さま事例」(H28.2.18時点)に載っている例で,「武富士倒産を機に請求」のタイトルの事例では,4社から合計104万4千円を回収したとしていますが,その内CFJからの回収金は1万2千円になっています。基礎報酬だけで4万9800円(平成24年10月時点では1万9800円)なので,CFJについては1万2千円だけは報酬を過払金の範囲に納めたのでしょうか。仮に回収金合計104万4千円全体について計算した報酬額との比較なら回収額を超えた報酬になります。

なお,この例の「お客さまの声」で「80万円程が戻って来ることになりました」とありますが,改定前の報酬だったと思われますが,どういう計算で手取額がこうなったのか良く分かりません。武富士の1回目の配当(平成24年1月以降)の後に依頼した事案のようですが,平成24年10月時点の契約書では基礎報酬1社1万9800円,回収報酬100万円以下29.2%,101万円~200万円まで26.9%です。武富士の1回目の配当がされた平成24年1月頃以降から平成24年10月までに契約した事案で,当時はものすごく安い報酬体系だったのでしょうか。

また,アイフル事案で「3ヶ月後24万円の返還が決定」の例でも「報酬+諸経費を差し引き18万3854円が返金されたとありますが,報酬諸経費合計で税込み23%程度でないと計算が合いませんが,サイトを読む限り,基礎報酬だけで4万9800円ですから,どういう計算でこうなるのか分かりません。

それとも,「積立金制度」により契約時から積み立てさせておいたお金が報酬に充てられたのでそういう結果になったのでしょうか。そうであれば,戻り額の記載は正しくないでしょう。

少なくとも,サイトに記載されている報酬からは,理解できない金額になっているのですから,新宿事務所は,誤解を招かないよう,その額になった計算式を明記すべきです。

 

指針を超える報酬は解決レベルに見合っているか。

一般の方は,どこに頼んでもこんなものと言われてしまえば,そう信じてしまうと思います。どんなに低い解決レベルでも「うちは回収率が高い」などと言われれば,一般の方は,他を知らないので信じてしまいます。

しかし,実際には違います。

まず,押さえておく必要があるのは,手間と時間を掛けて,依頼者に有利な利息充当方式で計算した過払金元本額と返還日までの過払金利息の全額をせっせと回収する弁護士・司法書士は,日弁連の規程(弁護士)・日司連の指針(司法書士)を超える報酬を取ったりしません。

規程・指針の設定は,それ自体が必ずしも安い設定ではないので,法律上認められる全額を回収しても規程・指針の上限の額で妥当なのです。

そのため,法律上認められる全額を回収できないから,規程・指針より安い報酬にすることは考えられても,法律上認められる全額を回収すれば,規程・指針より高い報酬が正当化されるというものではないのです。

では,新宿事務所は,利息充当方式で計算した過払金元本及び返還日までの利息の回収をしているのでしょうか。

当事務所がセカンドオピニオン相談等で知る限りでは,違います。むしろ,特に回収に支障がない主要な貸金業者についても,○割(ときに5割以下)での和解を勧めることがあります。

新宿事務所へ依頼した方から,大幅減額での和解を勧められ,訴訟で全部回収して欲しいと希望しても頑なに応じてくれないとの相談を何度も受けています。

新宿事務所が他の事務所では実現できない高いレベルの解決をしているかというと,当事務所が知る限り,指針を超える高い報酬に見合ったレベルとは到底言えないものです。

まず,新宿事務所のサイトに挙げられている事案で,アイフルについて約40万円の過払金が有り,3ヶ月後に24万円返還されたとありますが,これはアイフルが提案する利息非充当方式による元本の6割の提案を飲んだだけです。

しかも,その「お客さまの声」に記載されている事案を見ると,7年前に全額返済したとありますから,年5%の利息で35%の過払金利息が発生していたはずです。すると,この方はアイフルに約54万円債権を有していたことになるので,実際の回収率は48%でほぼ半分です。

利息非充当方式による過払金の計算は,きちんと説明して承諾を得ないと,善管注意義務違反で,正規額との差額について賠償責任ものですが(東京地裁判決平成27年1月23日),当然,説明はきちんとされていたのでしょう。なお,新宿事務所の報酬説明から,24万円回収で手取りが18万3854円になる計算が謎なのは先に述べたとおりです。

また,「悩みが消えて良かったです」というタイトルの事案では,お客さまの声には「2社で100万円弱の戻りがあって」と書いてありますが,「戻ってきた額」は2社で「55万8千円」と書いてあります。これ本当にお客さまの声なんでしょうか。

さらに,H28.2.18時点で,新宿事務所は,昨年度(H27),「依頼者4万2000人に平均93万円の過払い金がありました!」と書いてありますが,そうすると合計で390億6千万円です。過払い金は過払金利息を含めた額を回収でき,きちんと回収していれば,発生過払金額よりも回収額の方が多くなり,当事務所では,全体で,回収総額額は,発生過払金総額額の1.1倍位で推移しています。すると,新宿事務所が回収可能な額は,昨年度だけでも元利金含めて約430億円になり得ます。他方で,新宿事務所は,2008年の設立からの7年間で,回収総額は600億円としています。相談実績は22万人としています。

新宿事務所が徐々に規模を大きくしていったとしても,相談総件数,昨年の取扱総額と比較して,回収総額が少なすぎるように感じます。

いずれにせよ「平均93万円ありました!」と言ってるだけで「平均93万円回収しました!」とは言っていないので注意が必要です。また,依頼者には「無料調査」の依頼者が含まれるかもしれません。調査だけの依頼者も含むのであれば,「平均93万円ありました!」は,新宿事務所の回収実績とは関係ありません。

新宿事務所のサイトに記載されていることでは良く分からないので,新宿事務所から当事務所へ切り替えた実際で説明します。

下表は新宿事務所から伝えられた回収見込み額と,当事務所が実際に回収した額,そして,それぞれの見込額又は回収額に応じた費用額(税込み)と手取額を記してあります(H26の事案なので,新宿事務所の費用はH26頃の費用設定を基準にしてあります)。

なお,A社・B社いずれも完済業者で,当事務所ではいずれも利息充当方式の返還日までの元利金合計額を回収しています(A社は訴訟なし,B社は訴訟ありです)。

 

新宿事務所

当事務所が
回収した額
A社 330,000 672,348
B社 80,000 548,141
回収合計 410,000 1,220,489
費用 213,559 237,263
手取額 196,441 983,226

新宿事務所が依頼者に伝えた回収見込額は,A社については,ほぼ5割です。

しかし,当事務所で調べたところ,取引に特に争いになる点はなく,A社は訴訟をしなくても全部返還してくる業者だったため,請求しただけで利息を付けて全部返還してきました(実務では回収が容易と認識されている業者です)。

B社についての新宿事務所の回収見込額は,取引を一度完済した部分で2つに分けて計算した場合の元本額でしたが,一度完済したという以外に分断の事情がなかったので,当事務所が一連の額で提訴したところ,B社は一連性を争わず利息を含めて全部返還してきました。

新宿事務所で処理されていた場合,依頼者は80万円以上の過払い金を放棄させられた上に,報酬は,基礎報酬2万9800円×2社,歩合成功報酬11万290円,文書通信費1000円×2,精算手数料5000×2,消費税で,合計21万3559円にもなり,依頼者は,過払い金80万円以上を放棄させられた挙げ句,回収金の半分以上である20万円以上報酬を支払い,受取額は19万6441円にしかなりません。

高い解決レベルというにはほど遠い解決レベルです。むしろ,依頼者は80万円以上を放棄させられた点で大損しています。このように大幅減額をすすめられたという相談が多くあります。

当事務所は,全額回収方針で,かつ,完済事案は報酬一律18%(税別)にしており,日弁連の規程・日司連の指針よりもかなり低くしいるので,解決レベル・報酬額の一般的な例としては適切ではないかも知れません。

そこで,仮に,指針の上限を報酬とする司法書士が,当事務所と同額を回収した場合どうなるか検討すると,基礎報酬5万円×2,回収報酬27万1504円(A社20%,B社25%),消費税で,報酬は合計40万1225円になります。新宿時事務所がその見込み額で回収した場合の新宿事務所の費用より約2倍の額になりますが,手取り額は,4倍以上の81万9264円になります。指針の上限の報酬でもしっかり回収すれば40万円以上の報酬になるので,司法書士としては十分ですし,依頼者も全部回収してもらって,指針通りなら,納得でしょう。この点で,全部回収したからといって指針を超える報酬は正当化されるものではないのです。

全部回収する高いレベルで解決しても指針の上限を超える報酬は正当化されるものではなく,新宿事務所の報酬体系を,その解決レベルで正当化することは困難であると考えられます。

「拘束力がない」「契約自由の原則」は理由にならない。職業倫理(モラル)の問題

報道(H28.2.6朝日新聞)によると,新宿事務所は,朝日新聞の取材に対して,26・9%の各報酬の受け取りを「合法的な事実」としたうえ,(日本司法書士連合会の)「指針は会員の執務を直接拘束する規範ではない。参考にするべきガイドラインではあっても、契約自由の原則のもと、各司法書士法人が独自の報酬体系を定め、指針とは異なる契約を締結することも許されると考える」などと文書で回答したとのことです。

そこには職業倫理(モラル)の基準が全く出てきません。

また,契約自由の原則は,あくまで,新宿事務所側の自由として語られています。

まず,一般の方のための基礎知識として,日本司法書士連合会とは,都道府県毎にある司法書士会で構成された最上位組織です。弁護士でいえば都道府県毎にある弁護士会の全てで構成する日本弁護士連合会に相当します。

全ての司法書士は司法書士会に所属しています。正確には,司法書士とは,司法書士試験に合格して司法書士会に登録した者のことです。弁護士は,司法試験に合格し,司法研修所を卒業し,弁護士会に登録した者のことです。この点は,医師と医師会の関係と異なる点です。医師会に所属していない医師はいても,司法書士会に所属しない司法書士も弁護士会に所属しない弁護士も存在しません。そのため,すべての弁護士・司法書士は,弁護士会・司法書士会があって初めて弁護士・司法書士として存在でき,その会則に服し,遵守しなければならないのです。

弁護士・司法書士には,法律家として高い職業倫理(モラル)が求められており,法令を遵守する(違法行為をしない)ことは当然の前提として,さらに職業倫理に適った行動をしなければなりません。そのため,「法的拘束力がないものは守らなくてよい」「違法でないからしても良い」ということにはなりません。職業倫理に照らして,「法的拘束力はないが守るべきものか」「違法ではないがしてもよいか」が行動基準とならなくてはならないのです。

日本司法書士連合会が制定した「債務整理事件における報酬に関する指針」は,「指針」とあるように法的な拘束力はありません。ですから,法的拘束力がない点に間違いはありません。しかし,法的拘束力がないことは守らないよいという考えは,そもそも法律家の発想ではなく,職業倫理を基準にして,自らをその指針に拘束させるべきか否かを考えなければなりません。

新宿事務所が朝日新聞にした回答には,職業倫理(モラル)に照らし「法的拘束力はないが守るべきものか」「違法ではないがしてもよいか」という問題意識が感じられません。

司法書士会のみならず,監督官庁の法務省や司法書士会は,職業倫理が行動基準になっていない司法書士が法務省から簡易裁判所訴訟代理権を認められ,大々的にテレビCM等を展開し,国民の財産を扱い,他の司法書士がが職業倫理上遵守している指針を無視し,高額の報酬を得ていることの重大性を認識して,然るべき対応をすべきです。

「契約自由」を絶対と考えるなら,貸金業者の「契約自由」を否定する資格はない

新宿事務所は,「契約自由の原則のもと、各司法書士が独自の報酬体系を定め、指針とは異なる契約を締結することも許されると考える」と回答しています。

結局「契約自由の原則」くらいでしか弁解できないというところでしょうが,「契約自由の原則」も,当然,無制限ではありません。

「契約自由の原則」とは,私人間(国民と国民の間)での契約内容に国などは介入できないという原則です。平たく言えば,国民は何をどう決めようが公的機関からとやかく言われる筋合いはないということです。

しかし,契約自由の原則を野放しにすると,経済的強者が弱者の窮状に乗じて自己に一方的に有利な契約を強いたり,情報強者が弱者の無知に乗じて自己に一方的に有利な契約を強いる弊害が生じます。そこで,契約自由の原則にも制限がかかります。

前者の制限の例としては,利息制限法や借地借家法等があり,後者の例としては,消費者契約法や特定商取引に関する法律等があり,また,暴利行為など公序良俗に反するものは民法上その効力が否定されます。

ここで新宿事務所が扱っている過払金返還請求は,貸金業者の「契約自由の原則」を制限し,貸金業者が借り主と取り交わした高利率の利息の約定を無効とすることで可能となっています。貸金業者からすれば,借り主が年29.2%でよいから貸してくれと言ってきたので貸したのに何で無効になるんだと言いたいでしょうが,それは通りません。

契約自由の原則を,散々,否定され過払金返還を強いられてきた貸金業者が,今回の新宿事務所の回答を聞けば,釈然としない思いをするでしょう。

契約自由の原則を否定して,払い過ぎになる金銭を回収した法律家が,指針を超える報酬について批判されたとき「契約自由の原則だからいいでしょ」では,説得力がありません。

先に述べたとおり,指針には,利息制限法のような法的拘束力はありません。

しかし司法書士は,司法書士法上,「常に品位を保持し,業務に関する法令及び実務に精通して,公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」(2条)とされており,職業倫理による拘束を受けます。そして,当然,司法書士会の指針は,職業倫理の一部を構成し,また,ある行為が職業倫理違反に当たるか否かの判断基準となります。倫理違反は,司法書士法2条に反し,違法行為になり得るのです。

日司連の指針3条は,「第3条 債務整理事件(※任意整理・過払金返還請求事件)において司法書士が請求し,又は受領する報酬は,当該事件が解決したことにより依頼者が受ける経済的利益の他,依頼者の資産,収入及び生活の状況等を考慮した適切かつ妥当なものでなければならない。」(括弧内は筆者注)としています。

新宿事務所は,その指針を超える報酬(各種手数料を含み)が,司法書士の法律上の職責,職業倫理に反しないことを説明する必要があります。

新宿事務所が「契約自由の原則」を正当性の根拠とするのであれば,その正当性は,有利な条件で契約する新宿事務所側の自由にあるのではなく,不利な条件で契約する依頼者側の自由になければなりません。新宿事務所は有利な条件で契約する側ですから,それは自由でしょう。問題は,依頼者側に契約内容を決定する自由があったかという問題です。

依頼者側に「自由」があったというためには,依頼者側が新宿事務所側と対等に契約内容を決定できる立場にあったこと,すなわち,新宿事務所と対等の知識をもって契約を締結したと言えなければなりません。契約当事者間の知識に圧倒的な差があるとき,知識に劣る側には,実質的に,契約内容を決定する自由はありません。消費者契約法等はこの点から一定の場合に契約の取消しや無効等を認めるものです。

弁護士・司法書士と依頼者の知識における差は大きく,依頼者の無知に乗じれば,依頼者に不利な契約を締結させることができます。しかし,弁護士は「社会正義を実現することを使命とし」「誠実にその職務を行い」(弁護士法1条),司法書士は「公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」(司法書士法2条)ので,職業倫理の点から,依頼者の知識の足りなさを補い,公正な内容で契約する必要があり,また,そのような配慮がされた契約をすることが依頼者の通常の意思に合致します。

日本司法書士連合会の指針は,司法書士の高額報酬への社会的非難と社会的要請を受け,合理的なものとして定められたものであり,そもそも安くすらなく,その上限で十分です。沢山報酬を得たければ,可能な限り債務を少なくし,可能な限り過払い金を多く回収すればよいのです。

指針を超える報酬であることを知って敢えて依頼する者はおらず,新宿事務所が指針の存在を依頼者に知らせている形跡もないので(新宿事務所も知らせているとは言っていない),依頼者側には,指針に従った報酬体系で契約するか,敢えて,指針を超える報酬体系で契約するか,契約内容を決定する自由はなかったというほかありません。

新宿事務所は,依頼者から,無知に乗じて,指針を超える特殊な報酬体系で契約させたと非難されてもやむを得ないでしょう。

そして,そのような,依頼者の無知に乗じたと非難され得る新宿事務所の姿勢は,あたかも過払金の返還期限が迫っているかのように,扇動的な広告を展開した事実にも現れているということができます。(参考:過払金の時効。過度に焦らせる広告に注意

平成26年3月までは最大29%(2.9倍)だった

日司連の指針は,平成23年5月に制定されていますが,当事務所には,平成24年10月時点の新宿事務所の契約書(依頼者提供)があります。

そこには,任意整理については経済的利益(=債務減額金額+過払金回収額)が100万円以下の部分の29%になっています。仮に100万円の債務を法定利息計算して,過払い状態(=債務0円)だったら,過払金を回収しなくても29万円(税込)の報酬となり,指針の上限10万円の2.9倍の報酬になります。

その後,この費用設定は変更されおり,26.9%に下げられています(最終確認H28.2.5)。

そして,新宿事務所の秘書のブログには,「歩合成功報酬※2014年3月より,上限29%→26.9%に値下げしました。」と書かれているので,平成26年3月まで最大で指針の2.9倍の報酬だったことになります。

しかし,平成24年10月当時の契約では,200万円を超える部分が26.9%,300万円を超える部分は19.8%,300万円を超える部分は9.8%であったところ,400万円までがすべて26.9%に変更されているので,指針を逸脱した範囲が広げられたことになります。

そして,平成28年2月6日の朝日新聞の報道を受けて,上限を26.9%から24.9%に下げましたが,400万円を超える部分は9.8%という設定がなくなったので,かえって指針を超える報酬になる範囲が広がった結果になっています。

新宿事務所が,日司連が指針を定めた当初から,現在以上に指針を逸脱した報酬体系を採用していたことや,業務拡大とともに,指針を逸脱する範囲を拡大していったことは,新宿事務所の姿勢・職業倫理感を知る上で重要です。

指針を完全に無視した司法書士は他にいるか?

日本司法書士連合会の債務整理事件における報酬に関する指針」は,平成23年5月に,日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」及び同規則は,同年2月に制定されており,ほぼ同時期に制定されています。

これは一部の弁護士・司法書士が債務整理・過払金返還請求について不合理に高い報酬を徴収する例があり社会的非難が強まったため,両会が時をほぼ同じくして,上限を定めたものです。

指針・規程は,弁護士会等でのクレサラ相談の報酬基準を踏襲したものなので,指針・規程が制定される前から,多くの弁護士・司法書士は,指針・規程と同様の報酬でしたが,確かに,過払金回収報酬30%や訴訟手数料で回収金の10%加算など高い報酬設定をしていた例は見受けられました。

しかし,指針・規程が制定されたことで,弁護士・司法書士は一斉に指針・規定内の報酬に変更しました。ネット上で多数存在する事務所のサイトを見て下さい。指針・規程の定めと異なる報酬項目,指針の上限を超える報酬を設定している事務所は新宿事務所以外に容易に見つからない思います。

従前から,当事務所では,新宿事務所の広告やセカンドオピニオン相談を通じて,早くから新宿事務所が指針を全く無視した独自の報酬体系を採用していることを把握しており,当事務所のサイトの随所で注意を促してきました。

小さい事務所が裏でこそこそと指針・規程を無視している例はあるかも知れません。しかし,ここまで,あからさまに指針を無視し,まるで指針など無いかのように高い報酬設定をして,大々的に宣伝広告を展開して受任を募っている例を知りません。

司法書士法人新宿事務所(代表阿部亮司法書士)以外に,指針・規程を,あからさまに無視し,指針の上限を超える報酬体系を採用している弁護士・司法書士がいるのでしょうか?

それとも,司法書士の業界では日司連の指針を無視するのが当たり前になっているのでしょうか。

少なくとも,指針を無視する事務所は,容易には見つけられないので,いるとしても,かなり少数でしょう。

ほとんどの弁護士・司法書士が職業倫理(モラル)を重視して,規程・指針を遵守している中,規程・指針に従う必要はないと考え,指針を超える報酬体系を採用している弁護士・司法書士は,弁護士・司法書士の通常の職業倫理感覚とは異なる感覚を持って,業務に当たっていると考えざるを得ません。

指針の有効期限延長決定 逃げ切れなかった新宿事務所

日本司法書士連合会の「債務整理事件における報酬に関する指針」は,平成23年5月26日に理事会決定されたものですが,その附則には,「この指針は,5年を超えない範囲内において理事会で定める日に,その効力を失う。」と定められていました。そのため,指針の有効期限は,最長で今年の5月26日まででした。

指針を完全に無視し,報道されても「契約自由の原則」と言って悪びれず,堂々と指針超えの範囲を拡大した新宿事務所,阿部亮司法書士。指針が効力失ったらどうなるんでしょうか,「新宿事務所の逃げ切りか」と心配していましたが,平成28年4月27日,日本司法書士連合会は,指針を改定し,その有効期限を5年間延長しました。

(日本司法書士連合会 「債務整理事件における報酬に関する指針」の一部改正について

新宿事務所は依然として,指針超えの報酬を受領しているとの批判を受けることになります。しかし,もともと指針を無視しているので,やはり無視しつづけると予想されます。

報酬・広告の自由化が招くのは,モラル違反者の独壇場

報酬と広告の自由化は,自由競争により,価格が合理化され,弁護士・司法書士の質が向上し,結果,国民は,優良な専門家に合理的な費用で依頼することができるようになると考えられたからです。

しかし,結果は,逆です。

モラル違反の弁護士・司法書士の独壇場と化しています。

なぜ,そうなったか。

それは,職業倫理(モラル)を重視する弁護士・司法書士は,所属会の規程・指針を遵守し,また,誤解を招く広告や過度に煽る広告をしません。

まじめな弁護士・司法書士は,その事務所名を検索すると「うざい」という候補が挙がるほどラジオCM等で事務所のフリーダイヤル番号をすり込もうとしたり,時効が差し迫っているかのような広告をためらうことなく出したり,「1ヶ月限定キャンペーン」を5年もやったりしません。ましてや,「契約自由の原則」などと言い張って,規程・指針を逸脱した高額報酬で利益を得ようとはしません。

ところが,モラルを重視しない弁護士・司法書士には,モラルによる歯止めがかかりません。規程・指針を遵守する他の弁護士・司法書士をよそに,大々的に広告を展開して,他の弁護士・司法書士より,高額の報酬を得ることができるのです。

面談義務についても,結局,モラルのない弁護士・司法書士は守りません。結局,まじめに面談義務を履行する弁護士・司法書士は,どんなに優良でも,面談などせず電話相談だけで受任する弁護士・司法書士に勝つことなどできないのです。

一方は規程・指針を遵守し,他方は規程・指針を無視するのでは,公正な競争になりません。なら「あなたも規程・指針など守らなければよい」と言うのでしょうか,日弁連さんと日司連さんは?

新宿事務所について言えば,新宿事務所が優良な事務所だから取扱い量が首位に立ったのでしょうか。実務を知る者でそう考えているものなどいないでしょう。モラルを重視し規程・指針を遵守するほとんどの弁護士・司法書士をよそに,あの手,この手で過払金を煽る宣伝広告し,国民に知識がないことを良いことに,他の弁護士・司法書士よりも高額の報酬を得て,そうやって得た利益でさらに大々的な宣伝広告をしてきたからというところでしょうか。

日弁連の規程と日司連の指針は,モラルある弁護士・司法書士から競争力を奪う一方で,モラル違反の司法書士が一人勝ちする後ろ盾にしかならなかったということです。

ここまであからさま,かつ長期にわたり,指針を無視・逸脱をされ何もしないのであれば,日本司法書士連合会は,司法書士のモラル維持,指導において,何の役目も果たすことができない団体ということになります。

「あのテレビCMでおなじみの法人で不祥事・トラブル続出 委任状偽装の疑いも」
(H27.10.28 BusinessJournal)

あのテレビCMでおなじみの法人で不祥事・トラブル続出 委任状偽造の疑いも

(BusinessJournal 2015/10/28)

新宿事務所は,過払金の無料調査を大々的に宣伝して引き受けていますが,ある人が新宿事務所へ調査したところ,回収は依頼していないのに,いつの間にかに勝手に過払金を回収され全額報酬・経費に充てられていた事案が報道されています。しかも,新宿事務所から何の報告も受けておらず,他の弁護士に依頼して初めて判明したとのことで,新宿事務所を訴えているとのことです。

この事案で,回収した過払金が全額報酬・経費となってしまったのは,やはり,日本司法書士会の指針を超える報酬が設定されていたからであり,しかも,貸金業者から回収したのは,過払金の50%前後の額だったというのです。

50%前後しか回収しなかったのに,報酬だけは指針を超えて高く,その結果,回収した過払金は全額新宿事務所のものになりましたでは,納得できないのは当然です。

なお,主要な貸金業者については,いまでも依頼者に最も有利な計算方法(利息充当方式)での返還日までの元利金合計額の回収ができるので,(おそらく利息非充当方式による)過払金額の50%前後の回収は,ほとんど貸金業者の言い値で和解したとしか思えない額です。

また,新宿事務所が提訴した過払金返還請求訴訟について,裁判所が「(訴訟委任状は)本人の意思に基づかないで作成されたことをうかがわせる」と判断し,その訴えを却下(審理に入らず門前払い)したと報じています。

仮に,本当に訴訟委任状を偽造していたのであれば,これは犯罪ですが,弁護士・司法書士が訴訟代理権を疑われて,訴えを却下されたなどという例は聞いたことがありません。これは,訴訟代理人全体に対する信頼にかかわる問題であり,司法書士に簡易裁判所代理権を与えた立法の適否にも関する問題です。

監督官庁である法務省は,指針を遵守しない業務姿勢を含め,然るべき調査の上,新宿事務所及び代表阿部亮司法書士らに,真に,簡易裁判所訴訟代理権を認定しておくに足りる十分な能力があるか再検討すべきでしょう。

なお,当事務所では,この報道(H27.10.28)がされる数ヶ月前に,この問題と関連性すると思える新宿事務所のおかしな対応の相談を受けています。

それは,新宿事務所に過払金の調査を依頼した方で,調査を依頼したが,1社4万9800円と26.9%の報酬が高すぎたので依頼せず,当事務所へ依頼のため相談に来られた方からの相談です。

その相談者は,新宿事務所に過払金の調査を数社依頼した時に,印鑑登録証明書が必要であると説明され,3通渡したということです。

債務整理・過払金返還請求を扱う弁護士なら誰でも,この時点で頭に「?」が点灯します。

弁護士・司法書士の過払金の調査(取引履歴開示請求)で,貸金業者が本人の印鑑登録証明書を求めてくることはありません。委任状ですら,その提示がないことを理由に取引履歴の開示を拒否すると取引履歴開示義務違反に当たるので,提示を求めてきません。

その相談者は何に使うか説明されておらず,また,印鑑登録証明書は返却してもらっていないとのことでした。

そこで,依頼をしないのであれば新宿事務所に印鑑登録証明書の返還を求めることと,何のために必要だったのか聞くように助言したところ,相談者が新宿事務所に問い合わせた結果,調査依頼した業者のうち,大手信販会社3社については,印鑑登録証明書が必要だったと回答されたとのことでした。

印鑑登録証明書・実印を要求する事務所って他にある!?

平成28年2月に新宿事務所に依頼した後に解約した方が新宿事務所から交付された書類に「下記お借入先の過払い金調査ご希望のお客さまへのお願い」と題する書類があり,そこには,イオン,オリコ,クレディセゾン(UCカード),セゾンファンデックス,ポケットカード(ファミマクレジット),シンキ(ノーローン)の6社について過払い金調査を希望する場合には,印鑑登録証明書を該当者数分と実印を持参するよう求めています。「当日お忘れになりますと過払い金及び借金整理の調査ができかねますのでご了承下さいませ」とあるので,新宿事務所では,これらの業者から,印鑑登録証明書と実印で押印した委任状を求められているようです。

しかし,当事務所では,これらの業者から印鑑登録証明書の提示を求められたことも,他の弁護士から,求められた例も聞いたこともありません。

いったい,新宿事務所は,何をやらかしたのでしょう?

新宿事務所には,それらの会社から印鑑登録証明書の提示を求められてもやむを得ない問題を起こした以外に,他に考えられる理由が浮かびません。

上記報道からすると,受任の意思の確認が十分にされていないなど受任手続・意思確認に問題がある可能性があります。

貸金業者が委任状や印鑑登録証明書の提示がないことを理由に取引履歴の開示を拒否できないのは,弁護士・司法書士への信頼があるからです。この信頼を前提に迅速な債務整理・過払い金返還請求ができるのです。

新宿事務所は,弁護士・司法書士への信頼を揺るがしているおそれがあります。

依頼者にとって,他の事務所なら必要がない印鑑登録証明書を取り寄せて渡さないと取引履歴すら取り寄せてもらえない司法書士に,指針を超える高い報酬を払うメリットがどこにあるのでしょう。しかも,印鑑登録証明書という重要書類を渡す相手は,他の司法書士が職業倫理(モラル)から遵守している指針を超える報酬を請求することをはばからず,勝手に過払金を回収して全部報酬に充てたと相談者から訴えられ,さらに,裁判所から,委任状偽装像の疑いをかけられ訴えが却下されたと報道されている司法書士なのです。

指針を守らない職業倫理上問題のある姿勢は,勧誘・受任・事件処理・精算のあらゆる場面でも現れます。

職業倫理は,事件処理の全場面で法律家を拘束し,適正な事件処理を担保します。報酬という最も重要な部分で職業倫理の拘束がなければ,一事が万事その調子となりえます。

過払い金返還を煽る広告,返還期限(時効)を誤解させる広告

平成27年に司法書士法人新宿事務所(代表阿部亮司法書士)は,みなし弁済の適用をほぼ不可能にした最高裁平成18年1月13日判決から10年で,過払金ができなくなるかのように誤解させる扇動的な広告を出して,強い非難を受け,報道もされました(H27.8.1産経新聞)。

燃える炎を背景にした返還期限が迫るという広告を見たことがある方も多いと思います。

法的知識がない一般の方には,新宿事務所の広告を見て,はやく返還請求しないと返してもらえなくなると誤解した多くいるはずです。また実際に,当事務所にもそのようなお問い合わせが多くあり,本サイトで注意を促してきました。

不安を煽る広告を出した事務所も,指針を超える高い報酬設定をしている事務所も同一の事務所ということになります。新宿事務所(代表阿部亮司法書士)の姿勢が現れていると考えることができます。

(参考:過払い金の消滅時効 過度に煽る広告に注意

弁護士法違反(非弁行為)

H28.2.12の朝日新聞の報道によると,新宿事務所の複数の司法書士に弁護士法違反(非弁行為)の疑いがあるとして,大手信販会社が東京法務局(同事務所の監督官庁)に懲戒請求を申し立てたとのことです。140万円を超える過払金案件を取り扱っていたとのことです。

ボランティア活動は何も正当化しない

新宿事務所のサイトによれば,阿部亮「社長」は,「世界に学校を建てようプロジェクト」と題して,途上国に学校を建てるボランティア活動を展開しているとのことです。19歳のとき陸路で世界一周したことがあり,そのとき度を助けてくれた人達への恩返しとのことです。また,新宿事務所のフリーダイヤルについては「『突然起こる法律問題や人権侵害の救援要請に即応できる、 社会のセーフティーネット』ダイヤルとなって、社会に貢献できることを願っています。」とのことです。

しかし,そのすばらしい志は,当事務所がセカンドオピニオン相談等で知った新宿事務所の報酬体系・勧誘方法・事件処理方法・依頼者への説明方法等とのギャップが余りに大きいというのが率直な印象です。

そんな高い志を持つ人が代表をしている司法書士事務所のすることとは思えないのです。

その志があって,なぜ,どの事務所でも当たり前のように行っている指針以内の報酬で依頼者へ戻るお金を少しでも多くしようとしないのか,なぜ,依頼者の貴重な財産である過払金を簡単に大幅カットして和解しようとするのか,なぜ,無断で5割で回収して全部報酬に充ててしまったと訴えられたり,委任状偽造の疑いで訴えを却下されたり,前代未聞の不祥事を起こすのか。新宿事務所について知ることは,とてもではありませんが,人権救済要請に即応できる社会のセーフティネットを目指している事務所とは思えないようなことばかりです。

新宿事務所が宣伝する朝日新聞に載ったという大学教授との対談(実は単なる広告)で,対談相手の大学教授は新宿事務所を評して「私は御社を、『法律や人権をベースにした社会のセーフティーネット』ビジネスと見ています。」と述べていますが,日司連の指針を無視した高い報酬を取るセーフティーネットって,大丈夫でしょうか。

自己陶酔している場合ではない

朝日新聞で指針超え報酬・非弁行為問題が報道された後,阿部亮司法書士は,こんなサイト宣伝するようになりました。

それがこれ→ http://aberyo.jp/

「Lawyer Radio personality Newspaper columnist」って,もう何やってる人か分からなくなっています。

本業とは関係がないサイドストーリーのアピールが強く,述べている高い志と本業でやっていることが一致しないので,まさかボランティア活動は客寄せか,自己顕示欲でやってるのではないかと疑っていましたが,こういうサイトを出すようだと確信に変わってしまいますね。

経済的弱者を救おうと純粋な思いから,ボランティア活動をしている人が,借金で苦しんだ人達から指針を超える報酬何十も取った挙げ句に,悪びれず,こんな自己陶酔し切った,自己愛溢れるサイト作るとは思えません。

そのうち,歌でも出すんじゃないでしょうか。

その事務所の姿勢には代表の姿勢が反映されるものです。

代表が「ボランティア活動」「19歳で世界一周」をアピールすることばかりに熱心で,本業の業務の改善に関心がなければ,問題の解決はできないでしょう。

「朝日新聞に取り上げられた」?それ「朝日新聞に載せた広告」じゃないの?

新宿事務所は,最近(H28.2.18時点)「新宿事務所の朝日新聞の記事」というタイトルのリスティング広告を出しています。

しかし,サイトでは「朝日新聞の広告に取り上げられました」とされています。

良く見ると「対談しました。(「朝日新聞」に広告掲載))」とあります。

これは,朝日新聞が取り上げた対談記事ではなく,新宿事務所が,大学教授との対談形式の広告を朝日新聞に掲載したということではないでしょうか。要するに,新宿事務所がお金を払って朝日新聞に載せてもらったボランティア活動をしている広告ではないかということです。

朝日新聞が新宿事務所のボランティア活動を取り上げて記事にしたのと,新宿事務所が朝日新聞にお金を払ってボランティア活動の広告を朝日新聞に載せたのでは,意味が全く違います(対談相手の利害・立場も変わってきます)。

その後「対談しました。(「朝日新聞」に広告掲載)」という部分は,単に「対談が,「朝日新聞」にて取り上げられました。」になっているヴァージョンを見つけました。

朝日新聞の記事なのか,朝日新聞に載せた広告なのかはっきりしません。

ただ,新聞記事なら紙面を切り抜いてまるごとネットに掲載ってできるんでしょうか。

どうも単に新宿事務所が朝日新聞に載せた対談形式の広告のように思えるのですが,そうすると,新宿事務所は「朝日新聞にこんな広告載せました」と広告していることになり,リスティング広告の「新宿事務所の朝日新聞の記事」というタイトルも「対談が,「朝日新聞」にて取り上げられました。」もおかしいことになります。

時効について誤解を招く広告など問題を生じさせたことがあるのですから,阿部亮「社長」は,どちらなのか,明確にすべきです。

なお,「2006年に最高裁で過払い金が認められてから今年で10年目です」「10年目の節目となる今年以降時効より過払い金が取り戻せなくなるケースが増大する見込みです。」って,まだ言ってます(森永拓郎が激白!の広告内での説明。H28.2.18時点)。本当に誤解を生じないよう表現に気を遣っているのでしょうか。

力を入れていることが間違いないのは「宣伝・広告」

では,司法書士の本業との関係で,新宿事務所がどこの事務所にも負けないくらい力を入れていると誰の目から見ても分かることは,何でしょう。

それは,テレビ・ラジオ・新聞・ネットなど各種媒体での宣伝広告です。

誤解を恐れずに言えば,一般人が法律家の能力を判断することは無理で,ネットの口コミやランキングは広告業者のヤラセが横行しているので,結局,あの手この手で一番宣伝した事務所が一番事件を得るのが実情です。

新宿事務所が過払金の取扱量で首位の地位を占めたのは,ひとえに「過払金の返還期限迫る!」や「美しすぎる司法書士」など,ときに過度であると問題視される広告を出すこともためらわない,大々的な宣伝広告活動によるところが大きいでしょう(なお,過度であるか問題になったのは前者で,後者が過度かどうかは好みによります)。

そして,指針超の報酬(H28.2.6報道)や非弁行為の疑いで懲戒請求されたこと(H28.2.12報道)が朝日新聞で報道されたこの時期に,新宿事務所は,朝日新聞にボランティア活動が取り上げられた(?)ことを紹介する「新宿事務所の朝日新聞の記事」というタイトルのリスティング広告を出しています。

事務所の問題点を指摘する報道はスルーして,いつのまにか報酬改定し,せっせとボランティア活動の宣伝をしている様子を見ると,ボランティア活動をしていることが全てを免責し,全てを正当化してれくると考えているかのうようです。

しかし,司法書士の真価はあくまで本業にあり,本業で判断されなれけばなりません。

依頼者にとっては,しっかりと過払金を回収してもらい,指針を超えない報酬で,手元に少しでも多くお金を戻してくれさえすればよく,その期待に応えることこそが司法書士の職責であり,最大の社会貢献であるはずです。

指針を超える高い報酬を差し引いて依頼者の手元に残るお金が少なくなっても,そうやって得た利益でボランティア活動を一生懸命やっていれば良いなどということにはなりません。ましてや,仮に,ボランティア活動のため資金が必要という理由で指針超えの高い報酬を取っているとしたら,とんでもない話でしょう。仮に,ボランティア活動は単に宣伝のためだけにやっているのなら偽善のそしりを免れないでしょうし,ボランティア活動で社会的名声を得ることに取り憑かれ,司法書士業がそのための資金作りの道具となったら,それこそ本末転倒です。

ボランティア活動に力を入れていることをいくら宣伝しても提起された問題を正当化することはできません。

阿部亮司法書士は,司法書士事務所なのに「社長」などという士業が会社と同じ営利団体と誤解されるようなおかしな肩書きは止め,司法書士として,司法書士事務所の「所長」として,事務所に対して提起された問題に真摯に向き合うべきです。

そして,司法書士会,監督官庁であり簡易訴訟代理権を認定した法務省は,問題の重大性を認識して然るべき調査と対応をすべきです。

阿部亮司法書士って「司法書士」って名乗るの嫌なの?

代表阿部亮司法書士は,「社長」と名乗ったり,歌でも出すのかと思ってしまうような個人サイト作ったり,個人的にはおもしろいんですが,ちょっと自己愛が強すぎて,司法書士の本分を忘れて,本業と関係ない方向に暴走していないだろうか。

というか,阿部亮司法書士は,なぜ,司法書士業の内実で信用を得ようとしないか。

今,Yahooで,「新宿事務所」で検索しようとすると,「新宿事務所 懲戒」とか報道された問題点に関連する候補が多く出る状態になって大変だと思いますが,せっかくなので,その候補で検索してみると,リスティング広告で,「世界の途上国に7校学校を建設!」とか,「19歳で陸路を世界一周した法律家ラジオパーソナリティ,コラムニスト」とか「(番組)阿部亮のNGO世界一周|1242.com」とか「19歳で陸路を世界一周した法律家の物語毎年1校,世界に学校を建てる旅が始まる」て,ずらっと4つも現れます(H28.2.18時点)。

朝日新聞で指針超え報酬や非弁行為で懲戒請求の報道がされた後に,不都合な情報が載っているサイトへ行くのを阻止する意図なのか,いっぱい広告を出し始めました。

リスティング広告って作るの結構面倒で,お金もかかるんですが,そんなキーワードで,自己愛溢れる個人的活動のリスティング広告を3つも4つも出てくるようにしていることからすると,阿部亮司法書士は,司法書士なんてことどうでもよくて,ボランティア活動とか,19歳(20年も前ですが)の世界旅行の経験で,世間の目を,本業の問題から逸らすことしか考えていないのではないかと感じます。

しかも,阿部亮司法書士は,不思議と「司法書士」と名乗りたがりません。本業との関係では「法律家」を名乗り,阿部亮「社長」の個人サイトでは,なんと「Lawyer」って記載しています。「法律家」って意味もありますが,普通「弁護士」と理解されますから,ちょっと恥ずかしくないんでしょうか。

ちなみに先に挙げたリスティング広告でも「法律家」という言葉は入っていますが,「司法書士」という言葉は入っていません。

もう,よほど「司法書士」って言いたくないんだなと考えざるを得ません。

おそらく阿部亮司法書士は「司法書士」という職業自体には,あまり誇りを持っていないのだと思います。自分は「司法書士」であるという決意というか,軸足が司法書士業にないのだと思います。「社長」と名乗るのも,司法書士事務所「所長」よりも会社の「社長」の方が対外的に聞こえが良いと思っていることの現れではないでしょうか。ちょっと卑屈な感じがしますね。弁護士で,わざわざ「法律家」って名乗る人はいませんし,「社長」を名乗るより法律事務所の「所長」の方が聞こえはいいですし。

そうすると,結局,阿部亮司法書士がやりたいことは,司法書士業ではないのではないかとの疑問が生じます。仮に,阿部亮司法書士に司法書士としての誇りがなく,あくまで自分は司法書士などと呼ばれたくなく「法律家」「社長」であり,やりたいことは「ボランティア」,依頼者にまずもって誇れることは,司法書士業とは無関係の「19歳の時の世界一周の経験」,それをアピールさえすれば信用を得られるという気持ちであれば,それは司法書士としての発想・倫理感は備わらないでしょう。司法書士業と関係ない方を向いてるんですから。

司法書士である自分に誇りがなく,軸足が司法書士業になければ,日本司法書士連合会の指針なんてどこ吹く風になるはずですし,司法書士業自体への問題が提起されても,問題解決・信頼回復への取り組みとそのアピールをすることではなく,「よし!ここは,さらに途上国に毎年1校設立活動・19歳で世界一周をアピールしよう!」という発想になってもやむなしです。

当事務所を含め,多くの弁護士・司法書士が,経済的に余裕がない相談者については,法テラスに援助を申請し,ほぼボランティアのような費用で,だれにアピールすることなく引き受けていますが,阿部亮司法書士は,まさに「司法書士」の本業で社会貢献できるそういう活動はやっているんでしょうか。

目の前の依頼者の貴重な財産を安易に扱い,高い報酬で手元に残るお金を少なくして,何十億,何百億と儲けたお金で,途上国に毎年1校学校設立って,学校寄贈自体は偉いとしても,これみよがしにアピールするほど偉いことなんでしょうか。

報道によれば,わずか1年半で約18億円の報酬を指針に逸脱して受け取っていた計算になるとされています。これ債務減額部分について受け取った分だけですからね。途上国に7校学校作るのに1年半で18億円かかったんでしょうか。新宿事務所に協力したNPO法人「JHP・学校を作る会」のサイトでは,カンボジアに1校設立するのに700万円~1000万円と書いてあります。法人でやっていることなら税務上の手当もしてあるはずです。

学校寄贈はすばらしいことなのでそれ自体は批判する余地はないですが,依頼者の利益少なくして逸脱して得た莫大な利益と比較して,毎年1校,これまで7校作りましたって,これで事務所の信用得られるってほどアピールできることなんでしょうか。

回収総額600億からどれだけ取りすぎたのか知りませんが,ひとまず依頼者に取りすぎたお金返してあげた方がよほど,人助けになるはずです。そこから学校設立費用7校分は引いたってたいしたことないでしょう。

途上国に学校7校建設した上で,取りすぎのお金返還,これなら信用回復です。

本当に「社会のセーフティーネット」目指しているなら,信用回復のため,今からでも遅くはないので,借金に苦しんだ経済的弱者の依頼者達に指針超えの報酬返すべきです。コストかけてミュージシャンのプロモーションサイトばりの自己愛溢れるサイト作っている場合ではありません。今こそ「重要なお知らせがあります!」でしょう。

新宿事務所の宿敵アディーレ法律事務所だって車いす何百台か寄贈とか社会貢献してますが,アディーレ法律事務所は「車いす○○台寄贈!」とか,広告したりしません(アディーレも措置命令出され問題はありますので味方するわけではありませんが)。トヨタ自動車でもNTTでも社会貢献はそうとうやっていますが,名前で検索すれば,まず出てくるのは本業の広告です。それは自分の名を検索する人が何を求めているか分かっているからです。

新宿事務所を検索する人は,何を求めているのでしょう。途上国に学校作りたいから?19歳で世界一周の武勇伝を聞きたいから?阿部亮「社長」のNGO云々のラジオを聞きたいから?そうではないでしょう。

何百億円という他人のお金を預かる大手司法書士事務所が,指針を無視して2.69倍(かつては2.9倍)もの高い報酬を,平然と謳って大々的に広告し,それが誰からも咎められることなく数年にわたって放置され,首位に立ったことは,司法書士の法律家としての資質,司法書士会のあり方,司法書士の広告のあり方,司法書士の権限のあり方を考え直さなければならない大問題です。

阿部亮司法書士は,「法律家」などとごまかしていないで,きちんと「司法書士」を名乗ることから始め,本業に専念し,信頼回復に努めるべきです。

新宿事務所とのトラブル・セカンドオピニオン相談事例

新宿事務所についてのセカンドオピニオン相談や切替え相談は多く受けてきましたが,本ページを公開(H28.2.8)以来,新宿事務所へ依頼,相談した方から,さらに多くのセカンドオピニオン相談弁護士への切替え相談を受けています。

最大手の司法書士法人である以上,不適切な対応がされていた場合の被害は甚大になりますので,注意喚起のため問題と思われる事例を挙げます。

「過払金利息は付けていない」と回答された。

新宿事務所の説明内容の適否についてのメール相談内容から,新宿事務所が伝えてきた過払金額は,完済からほぼ10年分の約50%の過払金利息が付いていないように思えたので,その点を新宿事務所へ問い合わせるよう助言し,相談者が新宿事務所へ確認したところ,「過払金利息は付けていない」と回答されたとのこと。

過払金利息を付しても,依頼者に有利な利息充当方式ではなく,利息非充当方式で過払金回収をした例(平成21年の事案)について,受任者の善管注意義務違反として本来得られるべき額との差額について賠償責任が命じられています(東京地方裁判所判決平成27年1月23日)。ましてや,説明もなく,過払金利息を付さないことは重大な善管注意義務違反に該当し得ます。

当たり前のように過払金利息を付けずに依頼者に金額の説明をし,その額を前提に意思決定させているのであれば,善管注意義務違反が常態化しているおそれがあります。

ただ,こういう方針を採用している事務所は,貸金業者にとってはありがたいと思います。

「解約できない」と言われた。

当事務所へ切替え相談に来られた方からの相談。

約3週間ほど前に新宿事務所に依頼したが,担当者の説明に不信感を抱き,解約を申し出たところ「解約はできない」と回答されたとのこと。ただ,相談者は,委任契約はいつでも解約できることを知っていたので,司法書士会に連絡すると伝えたところ解約に応じたとのこと。

指針を逸脱する報酬体系を採用し,大々的に宣伝して受任を募った上で,解約を拒否する対応をしているのであれば,依頼者は,指針を逸脱する報酬の事務所に依頼したことにすぐに気がつき,未だ履歴開示請求の段階でも,解約に応じてもらえず,指針を逸脱する報酬での委任契約の継続を強いられる恐れがあります。

当事務所は,その専門家が職業倫理(モラル)を重視しない場合,その姿勢は,あらゆる場面で現れると常々注意を促してきました。

新宿事務所は,他の司法書士が職業倫理を重視して守っている日本司法書士連合会の指針は拘束力がないから指針を超える報酬を設定することは自由だと述べています。そのような姿勢にある司法書士が,他の職務上,委任契約上の義務・責務を誠実に遵守すると信頼できるか十分に考えた上で,事務所選びをすることが大切です。

報酬,見込み,作業状況,返還時期の説明が二転三転する

複数の方から,新宿事務所の説明が二転三転するという相談を受けます。

特に,見込みと作業状況の説明がころころ変わり,かつ,口頭での説明のみで,文書やメールなど形に残るものでの説明はなく,取引履歴や法定利息計算書を提示しての説明もないので,どういう状況かよく分からないという相談が目立ちます。

また,説明が二転三転しているうちに,1件の返還もないまま1年以上経っているという相談もあります。

さらには,今月返還を受けると説明されていたのに,来月に変更になったと言われたという相談すらあります。決まっていた返還時期が直前で延期なる理由が思いつきません。

相談者からの情報で知る限り,新宿事務所が他の事務所より力を入れているのは「宣伝」と「広告」であって,指針遵守や適正・迅速な処理には力を入れていないように感じられ,大量に受任しすぎて,事件処理が回っていないのではないかとすら疑われます。

新宿事務所は,依頼した全部の業者からの回収が終わらない限り,回収した過払い金を精算しないので,どんなに早く新宿事務所に過払金が返金されたとしても,他の業者の処理が遅ければ,新宿事務所に預けられたままになります。

なお,預かっているお金は,法的には,預かっている者の財産と区別されないので,種々問題の指摘されている者にお金を長期間預けること自体が1つのリスクになります。

(追記 H29.5.19)

新宿事務所の幹部を研修部理事にしていた東京司法書士会

笑えないブラックジョーク
東京司法書士会は会員に指針を守らせる気はあるの?

新宿事務所は,平成28年7月31日に仙台・横浜・大宮・柏の4つの支店(従たる事務所)を廃止し,平成29年3月31日に付けで代表の阿部亮司法書士が脱退し(小金井市に事務所を開設),特定社員(共同経営者)の齋藤禎範司法書士が代表になりましたが,さらに,他の特定社員も次々に脱退し,平成28年2月の朝日新聞の報道時には8名いた特定社員(共同経営者)は,平成28年5月の時点では,代表の齋藤禎範司法書士と他の1名の2名のみになっています。

脱退した共同経営者のうち,T司法書士ともう1名の司法書士は,平成29年4月21日に,新宿事務所と同じビルの同じフロアーに別の「司法書士法人中央新宿事務所」を設立して,T司法書士が代表になり,過払金返還請求業務等を始めましたが,報酬は,新宿事務所の報酬体系そのままなので,指針超えの報酬体系を採用していることになります。

ここで,中央新宿事務所のT司法書士の代表者プロフィールには,平成27年5月より東京司法書士会の研修部理事を2年勤めたとあります。

まさに新宿事務所が指針の2.69倍もの報酬を徴収していた時期から,指針を超える報酬が朝日新聞で報道された後まで,東京司法書士会は,その事務所の幹部を,研修部の理事にしていたということになります。

日本司法書士連合の指針を法的拘束力はないと無視して指針超えの報酬を設定している司法書士事務所の幹部が,指針を守らせるべき組織の研修部の理事をしていたとは,なんとも笑えないブラックジョークです。

所属会がこれでは,なるほど指針など「どこ吹く風」になるわけです。

中央新宿事務の代表T司法書士はホームページ上で「東京司法書士会 研修部理事」の肩書きを使用していますが,東京司法書士会は,T司法書士が,会の信用・権威を利用しつつ,堂々と指針を超える報酬で受任を募っている状況をどう考えているのでしょうか。

このような状態を放置すれば,司法書士会がみずから指針無視を黙認し,指針超えの報酬を後押しているに等しく,司法書士会の目的(司法書士法52条2項)は果たせず,国民の司法書士への信頼を得ることはできないでしょう。

東京司法書士会は,その存在目的に照らし,上位組織である日本司法書士連合会の指針を遵守する会員に会務に当たらせるべきです。

(追記 H29.5.19)

独立した幹部が同じビル内に開設した他の事務所が共同で受任に

共同受任は依頼者に十分に説明されているか
共同受任事務所の面談義務の問題も

平成28年から共同経営者が次々に脱退し,そのうちT司法書士らが新宿事務所と同じビル(フロアーも同じ)で別の司法書士法人T事務所を開設していますが,これとは別に,同じく脱退した共同経営者のH司法書士が,新宿事務所と同じビル(フロアーは違います)に別「司法書士法人H事務所」を開設しています(報酬は新宿事務所と同じ報酬体系です)。

ここで,平成29年4月に新宿事務所へ依頼したが取り止めたいということで,当事務所へ相談に来た方がいます。その方が,持ってきた新宿事務所で作成した依頼書の控えをみると,受任者欄に「弊事務所」として,司法書士法人新宿事務所と司法書士法人H事務所が併記され,共同受任する内容になっています。

相談者は,新宿事務所の事務員に説明を受けた後,最後に,新宿事務所所属の男性司法書士がでてきたのみで,H事務所の司法書士とは会っていません。そもそも,相談者はH事務所がどのような事務所であるか知りませんでした。

また,相談者は,受任する新宿事務所とH事務所の記名押印のある契約書ではなく,依頼者が署名押印した依頼書の控えしかもっていませんでした。

新宿事務所のホームページには「司法書士法人新宿事務所が、お客様に代わって、すべての手続を行います」とあります。しかし,相談者は,新宿事務所のホームページを見て相談しに行き,聞いたこともない他の事務所へも依頼させられたことになります。不十分な説明での複雑な受任形態は,トラブルのもとになります。

また,相談者に面談したのは新宿事務所の男性司法書士です。すると,H事務所は,受任するにあたって,依頼者と面談したと言えるか疑義が生じます。そもそも,依頼書には,H事務所の記名押印はなく,どの段階でH事務所との委任契約が成立したのかすらあいまいです。

4つの支店の廃止,阿部亮代表の突然の脱退,共同経営者が次々に脱退した経緯や,他方で,新宿事務所と同じビルで,おなじ報酬体系の事務所を設立し,新宿事務所と共同受任を始めた目的はよくわかりませんが,他の事務所との共同受任になるのであれば,後のトラブル防止のため,ホームページや広告で,あらかじめ,その旨,誤解がないよう十分に説明をし,共同受任するのであれば,両事務所の司法書士で面談すべきでしょう。

(追記 H29.5.24/更新H29.5.25)

不可解な動き・重い懲戒処分の噂 預けてある過払金は安全か?

預り金が莫大になれば,経営に問題が生じたときの被害は甚大に

報道(BusinessJournal/H29.5.24)によれば,新宿事務所は,阿部亮司法書士が脱退し,同じビル・同じフロアー,かつ,入り口も共通の中央新宿事務所という名前の似た司法書士法人を設立し,更に活動内容不明の一般財団法人を設立するなど不可解な動きをしており,重い懲戒処分が下ることを見越した対応ではないかとのことです。関係者の間では新宿事務所に対して複数の懲戒請求がなされていると取り沙汰されているとのことです。

(参考:不祥事続く司法書士新宿事務所,不可解な動きが波紋・・・重い懲戒処分「逃れ」を意図か(buissinessJpurnal2017/5/24))

実際に重い懲戒処分がされるのか,新宿事務所の一連の動きが懲戒処分対策なのかは分かりません。しかし,一連の動きは確かに不可解で,また,新宿事務所のコマーシャルが突然見なくなった(聞かなくなった)という声が多く出ており,新規受任を控えているように感じられます。先の追記で述べたとおり,当事務所では新宿事務所の目的不明な共同受任例を確認しています。

ここで,業務停止などの重い懲戒処分がされればもちろんですが,そうでなくとも,新規受任控えや悪評が広まることにより新規受任件数が減少すれば,新宿事務所の活動資金は少なくなります。新規受任が急激に減少すれば,多数の司法書士・事務員を抱えている分,経営に問題が生じる恐れもあります。

平成29年2月4日の東洋経済によれば,新宿事務所の広告費は,突出しており,平成26年は50億円以上,平成27年は約60億円,平成28年は10月までで約40億を支出しています。わずか2年10ヶ月で150億円以上を支出したことになります。

新宿事務所が公表している回収総額は860億円ですが(H29.5.24時点),これは設立してからの回収総額です,上記僅か2年10ヶ月の広告費150億円は設立以来の回収総額の17%以上の額に相当します。しかも,回収した過払金から新宿事務所が貰えるのは一定割合の報酬です。新宿事務所の回収報酬が回収額の24.9%(現時点)であることからすると,広告費がいかに大きな額であるかが分かります。平成24年当時は10億円程度だったものが,その僅か2年後の平成26年はアディーレ法律事務所の4倍以上の近い50数億円もの広告額を支出するまでになっています。莫大な広告費をまかなうため高額の報酬になっているとも考えら得れます。

新宿事務所は,この莫大な広告費で大々的にCMを出し,大量の事件を受任・処理し,指針を超える報酬で利益を得て,さらに広告費とつぎ込んでCMを出して,大量の事件を受任・処理するという形で,利益を上げてきたと見ることができます。

しかし,新規受任件数が減少すれば,売上げが減ります。すると広告費を抑える(CMが減る),受任件数が減る,広告費を抑える(CMが減る),受任件数が減るという悪循環に陥るおそれがあります。相次いで報道される不祥事による悪評が加われば,受任件数はさらに減少するおそれがあり,業務停止などの重い懲戒処分が出れば,受任自体ができなくなります。

ここで,仮に,依頼している事務所の経営に問題が生じた場合,依頼者が預けている過払金は安全かという問題があります。

回収した過払金は依頼者からの預り金ですが,法律上は,依頼者がその事務所に預り金返還請求権(債権)を有しているだけで,事務所名義の口座内の預金や事務所が保有している現金は,他の資金と区別なく,すべて事務所に帰属します。そのため,その事務所の資金繰りが困難になり,賃料・給料・広告費の未払が生じた場合,預り金として確保されている現預金も債権者の差し押さえの対象になります。

仮に,資金繰りが改善せずその事務所が破綻したとしても,依頼者はその事務所の現預金から優先して預けている過払金の返還を受けることができるのではありません。他の債権者と平等の立場で配当を受けることになります。単純例で説明すると,残っている資金が債務額の10%相当額なら,10%しか配当を受けられないことになります。資産が担保に取られていれば,配当を受けられない場合すらあります。

ここで,新宿事務所の場合,回収した過払金を回収する毎に1社毎に精算はしません。複数の依頼を受けたら全業者が解決するまでずっと預かる対応をしています。1年前にA社から回収した過払金も,未解決のB社からの回収が終わるまでずっと精算しないで預かっておくということです。この精算方法は,回収ごとに精算をする場合と比較して,依頼者からの預り金額が多くなりやすくなります。

現時点で,新宿事務所が依頼者に負っている預り金返還債務は相当な額に昇っていると考えられます。各種報道による悪評や懲戒処分,CMの停止による受任件数の減少が続くとしたら,はたして,依頼者が預けている過払金は安全か心配になります。

司法書士法人は,司法書士法人の財産を持って債務を完済することができないときは,社員となっている司法書士が個人財産で弁済する責任を負っています(司法書士法38条1項)。阿部亮司法書士は「社長」を名乗っていましたが,司法書士法人の社員は,会社の代表取締役や株主と違って,最終的に個人で法人の債務を弁済する責任を負っているのです。しかし,脱退すれば脱退した後に生じた債務については責任を負いません(同法38条4項)。昨年8人いた社員が,次々に脱退して2人になり,しかも,新宿事務所を設立し,その看板として宣伝活動をしていた阿部亮司法書士があっさり脱退し,みずからは活動内容不明な財団法人の理事長となっています。そして特に説明なしです。無責任な感を免れません。

社員(共同経営者)の相次ぐ脱退と別の司法書士法人の設立,その司法書士法人との共同受任がされれば,責任が分散し,責任の所在が不明確になります。

設立された一般財団法人や同じビル内の司法書士法人との間で新宿事務所がどのような取り決めをしているのか外部からは全く分かりません。事務所創設者の阿部亮司法書士の脱退や,脱退した幹部による新司法書士法人の設立,一般財団法人設立に伴い,新宿事務所の資金がどのように動いてるかも外部からは全く分かりません。

なお,朝日新聞が指針超え報酬を報じた約1ヶ月後(H28.3.9)に「株式会社新宿事務所」という会社が設立されて,阿部亮司法書士が代表取締役に就任しています。この会社は,広告業・イベント企画・不動産の売買・保険代理募集業務・温泉入浴施設の経営,労働者派遣や電力販売,芸能プロダクションの経営などなど多様多種な事業が目的にされています。これも不可解な動きの1つなのでしょうか。

新宿事務所は,最大手の司法書士法人の責任として,あらぬ疑い,不安が生じないよう,阿部亮司法書士の脱退理由,同じビル内に司法書士法人を設立した理由,元幹部が設立した事務所と共同受任するようにした理由,一般財団法人との関係など十分に説明する必要があります。

相次ぐ不祥事,中心人物の脱退,重い懲戒処分の噂・懲戒処分「逃れ」とも思われる不可解な動きが報道されるに至った現在,新宿事務所から十分な説明がなければ,各依頼者は,預けている過払金の安全を確保する対応を検討する必要があるでしょう。

関連事項ヘ移動 過払金の時効(新宿事務所の広告で誤解した方多数) 曖昧な費用設定に注意(新宿事務所の特殊な費用設定の解説があります)